産婦人科の看護師が辛い12の理由とアドバイス(勤務状況編)

産婦人科の看護師の仕事は、やりがいを感じられる一方で、多くの困難やストレスを抱える職業です。

ここでは、産婦人科の看護師が仕事が辛いと感じる理由を、12つ以上に分けて詳しく説明します。ぜひ、最後まで読み進めてください!

産婦人科が辛い理由①不規則な勤務

まず初めに、不規則な勤務が多い点です。夜勤や早朝勤務が多く、生活リズムが乱れ疲労が蓄積することがあります。

他の科の勤務でも夜勤や早朝業務はありますが、夜勤業務は日勤業務と比べて業務量が少ないことが多いです。その分、夜勤の時は少ない人数の職員で業務にあたっています。

しかし分娩を取り扱う産婦人科では、夜でもお産があったり、陣痛や重度のつわり、切迫流産などで緊急入院する患者さんが多いため、夜勤でも業務量はとても多いです。

夜間でもお産があったり、重度のつわり、切迫早産で緊急対応することが多いのです。

分娩を取り扱わない婦人科病棟でも、子宮外妊娠、急性腹症など、夜間に病院へ来られる患者さんがいらっしゃいます。

このように夜勤帯も忙しく動き回っている時間が長いので疲労感は大きいですが、自分の夜勤帯での過ごし方のルーチンをつかむと負担感が軽減できることが多いです。

例えば、夜勤前は十分な睡眠と食事をとってから出勤する、夜勤中の休憩時間にスムーズに仮眠できるような安眠グッズや食事休憩でしっかりとエネルギーを補充できる食べ物や飲み物を持っていくなどがあります。

自分に合った過ごし方やグッズを見つけていくことが、不規則な勤務を乗り越えるコツですね。

また、忙しい夜勤帯を乗り切って退勤する時の朝はとても気持ちよく、大きなやりがいを感じる1つの瞬間でもあります。

 

看護師の産婦人科が辛い理由②長時間労働

産婦人科では長時間労働がしばしば見受けられます。人手不足による長時間労働で心身ともに疲労が重なることも少なくありません。

先ほどお話ししたように夜勤は12時間以上、長いと16時間労働の病院もあります。日勤でも緊急の入院やお産、手術などで業務が重なり、人手不足のため残業時間が長くなることがあります。

このように長時間労働は仕事を続けていく上で大きな負担となりますが、実際の現場では効率よく仕事を続けていく秘訣がたくさんあります。

24時間の交代勤務だからこそ、自分の勤務帯で残った業務は前後の勤務帯のスタッフ同士でフォローし合っています。

チーム医療が主流となっているので、看護師・助産師だけでなく、看護助手や医師、薬剤師、栄養士などの専門職が協力しながら仕事ができるのでとても心強いです。

また、昨今では長時間労働を改善するために業務改善を進めている病院が多いです。昔は紙カルテに手書きで記録を書いていましたが、今は電子カルテを使用している病院がほとんどです。

さらに、バイタルサインの測定値を自動で電子カルテに送信できるシステムが運用され始めるなど、今後も看護師がどんどん働きやすい環境になっていくでしょう。

産婦人科が辛い理由③休憩時間の確保

次に、勤務中の休憩時間についてです。産婦人科ではまとまった休憩時間の確保が難しく、常に緊張状態が続くことが多いです。

日勤帯のお昼休憩はスタッフ全員が一度に休憩に入ることができないので、それぞれ順番に休憩に入ります。

しかし、急なお産や手術、患者さんの様態急変などで休憩に入れないことがしばしばあります。分娩や処置の介助は立ちっぱなしのことが多く、体力が求められます。

このような状況で休憩に入れないのはやはり辛さを感じますが、働いているとある程度業務の流れを予測して時間管理をすることができるようになってきます。

早めに休憩に入っておいて後からの後からの業務に備えたり、忙しさのピークを越えてからしっかりと休憩時間を確保することができますよ。

初めのうちは患者さんの状態や業務の流れを予測するのは難しいと思いますが、先輩看護師やその日のリーダー看護師が時間を見て休憩に入れるように配慮してくれることが多いので安心してくださいね。

産婦人科が辛い理由④業務量の増加

続いて、産婦人科看護師の業務量についてです。

産婦人科では業務量が膨大で、負担が大きい現状があります。

産科領域では、妊娠から出産だけではなく、新生児、その家族への質の高い看護が求められます。

婦人科領域では、手術が必要となるような急性期の疾患から、長く付き合っていく慢性的な疾患もあり、外科領域と内科領域の両方の知識と技術が求められます。

さらに、急性期病院では婦人科癌の患者さんも多くいるため、がん看護や緩和ケアについても勉強が必要です。また、人工妊娠中絶や出生前診断、治験など、倫理的な問題に携わる場面もあります。

実際に働いていると、保健師やケアマネージャーといった地域の職種と連携をとったり、婦人科癌の特性上、消化器外科や泌尿器科、救急医といった別の科と協働していく機会も多いです。

また、お産や内診介助などは専門性が高く、他の領域ではなかなか経験できないこともあります。

日々新しい治療法が生まれており、常に幅広い知識と技術を持ち合わるために知識のアップデートが求められます。

忙しい中でも、目の前の患者さんの疾患やケア方法に疑問が浮かんだり、もっと患者さんの役に立ちたいという思いが生まれて、家に帰ってから少しだけ勉強をすることがあります。

このように、高度な看護が求められることはプレッシャーに感じることがあると思います。

しかし、若い方からお年寄りと患者さんの年齢層が幅広いことや、外科領域と内科領域の両方を学べること、様々な職種や診療科と関わりをもてることは、看護師人生の大きな強みになると思います。

産婦人科が辛い理由⑤夜勤や休日出勤

産婦人科で勤務をしていると、夜勤や休日出勤があるためプライベートの時間を確保しづらいことがあります。

夜勤明けで家に帰ってきても、せっかくの休みなのに疲労が溜まっていて何もできずに寝てしまうなんてこともよくあります。

また、夜勤や休日出勤が続くと、友達や家族と予定を合わせづらいこともあります。

これではプライベートの時間を確保するのも難しそうですよね。

しかし、勤務体系に慣れてくると夜勤や休日出勤ならではの良さも感じられるようになります。

たとえば、夜勤明けで家に帰ってきてもその日は丸々休みなので自由に時間を使えますし、次の日も休みであることが多いので友達とお酒を飲みに出かけたり、小旅行に出かけることもできます。

夜勤が無く土日休みの職場も良さがあると思いますが、夜勤や休日出勤のあるシフト制の勤務は自分の予定に合わせて曜日に関係なく休みをとることができるという良さがあります。

買い物や旅行先は平日の方が空いていますし、病院受診や役所関係の手続きなどは平日しか行えないこともあるので、私の場合は夜勤や休日出勤がある職場の方が合っているなと感じていました。

このように、仕事に慣れてくると勤務体系に合わせて上手にプライベートの時間を確保できるようになると思いますよ。

 

産婦人科が辛い理由⑥女性が多い職場環境

産婦人科の職場における男女比ですが、他の診療科に比べると女性がとても多いです。女性が多い職場では、人間関係に悩む場面も少なくありません。

同僚間の派閥やグループが形成されやすかったり、嫉妬が生まれたり、感情的になる人が多かったりと、困った人に振りまわされることがあるかもしれません。

いわゆるお局さんの存在も気になりますよね。

このような職場で働くうえで大切なことは、コミュニケーションを重視することです。

苦手な人とは業務上で必要なコミュニケーションをとりながら、程よい距離感を保ちます。

また、他人の陰口を言っている場面に遭遇するかもしれませんが、人に流されて自分まで陰口を言わないようにしましょう。患者さんもそうですが、看護師も様々な人間がいます。

必ずしも自分に合う人ばかりではないので、無理のない人間関係を築いていけると働きやすくなりますよ。

 

産婦人科が辛い理由⑦古い体質

続いては職場の環境についてです。

産婦人科では特に年配の看護師や助産師がいることが多く、古い体質のため人間関係が複雑なことがあります。

上下関係が根強く残っていることも少なくありません。

経験が長いからこそ、その人独自のやり方で業務を行っていることも多く、職場のルールや最新の方法が通じないこともよくあります。

このような環境で働きづらさを感じることもあるかもしれませんが、最近の病院では業務改善が進められており、古い体質は徐々に薄れていっています。

年配の看護師も経験が豊富で、勉強になることもたくさんあります。

先輩看護師側も、後輩との距離感に悩んでいることがよくあります。

年配の看護師の苦手な部分に目が行きがちですが、教えてもらいたい!という気持ちをもって接していると意外と優しい面が見れて良好な関係を築けていけることも多いですよ。

産婦人科が辛い理由⑧パワハラ・セクハラ

最近はパワハラやセクハラが問題となる職場もあります。残念ながら、産婦人科においてもそういった事例が見受けられます。

お産や患者さんの急変対応など日々の業務で緊張状態が続いていることや、人員不足による多忙さによってパワハラは起きやすいと言えます。

また、男性の医師も多いため、勤務中だけでなく歓送迎会などの勤務時間外でもセクハラを受ける可能性があります。

しかし、昨今の風潮から、昔と比べるとパワハラやセクハラは少なくなってきています。

さらに、大病院では特にパワハラやセクハラの相談窓口を設置しているところが多いです。このような窓口に相談するのはもちろんですが、直属の上司や師長に相談するのもよいでしょう。

新人看護師の場合は、指導やフォローを行うプリセプターがついていますので心強いです。

もしもこのような被害にあった時は、一人で抱え込まずに誰かに相談するようにしましょう。

産婦人科が辛い理由⑨出産や育児との両立

続いては、出産や育児についてです。

産婦人科の看護師は立ち仕事があり勤務も不規則であるため、妊娠しながら仕事を続けることに不安を抱える方も多いと思います。

確かに、妊娠中の辛い時期に産婦人科勤務を続けていくのは困難なことがたくさんあります。

つわりの時期で吐き気が続く中での患者さん対応、様々な処置など、想像するたけで心配になりますよね。

妊娠後期でお腹が大きくなってからも力仕事がたくさんあります。出産後も、育児との両立で悩む場面が多く出てきます。

子どもが熱を出して職場を早退しなければならなかったり、保育園や幼稚園の迎えがあるのに残業をしなければならないこともあります。

妊娠初期は不安定な時期なので必ずしも職場全体に伝えなくてもよいと思いますが、上司や同期など限られた人には早めに伝えておくときっと力になってくれます。

女性が多い職場のため、妬みや嫉妬などどう思われるか不安に思うことがあるかもしれません。

しかし、女性の職場だからこそ出産や育児を経験している人が多く、アドバイスやフォローをしてくれる先輩がたくさんいます。

産婦人科では看護師や助産師、医師が出産や育児の専門的な知見を持っていることも心強いですね。

産婦人科が辛い理由⑩家庭との両立

産婦人科で勤務では、家庭との両立が難しいという問題もあります。

夜勤や早朝勤務があるため家族との時間を確保しづらかったり、体力が必要な職場から帰ってきてからの家事は気力も削られます。不規則な勤務なので家族の理解が必要となってきます。

こうした環境の中で、キャリアアップが難しく仕事を辞めなければいけなくなることを心配に思う方もいるかもしれません。

家庭との両立は大変なことが多いですが、産婦人科勤務だからこそのポジティブな面もあります。

例えば、夜勤明けで家に帰ってきて子どもが保育園や幼稚園、学校に行っている間に家事ができたり、仕事がシフト制で平日休みのことも多いので学校の行事に出席しやすかったりします。

産婦人科の職場は女性が多い環境なので、家庭との両立をとても上手にしている先輩もたくさんいます。

相談できる先輩が多いので、とても頼りになりますよ。

産婦人科が辛い理由⑪転職の難しさ

産婦人科の看護師は、他業種への転職が難しいと言われています。

産婦人科は疾患や治療の専門性がとても高く特殊な科と言えます。

また、患者さんのほとんどが女性であるため男性の患者さんに接する機会が少ないです。ベテランになっても他の科に来て初めて男性の患者さんの対応をするケースもあります。これらが転職が進まない理由の一つと言えるでしょう。

しかし、産婦人科は緊急性が高い状況が多かったり、他の科との連携な場面が多いなど、看護師としての幅広い経験を積むことができます。

産婦人科で学んだ経験は他の科でも必ず役に立ちます。

また、同じ産婦人科であっても、分娩など産科をメインとして扱っているところと、癌などの婦人科疾患をメインとして扱っているところと様々な病院があります。

大きな病院以外でもクリニックなど比較的規模の小さな医院で働くこともできます。

常にたくさんの求人が出ていることが多いで、選択肢が多岐にわたるのは魅力的ですね。

産婦人科が辛い理由⑫昇進・昇給が難しい

昇進や昇給の機会があるのかを気にされる方も多いと思います。

他の職種と比べると昇進や昇給は少ないイメージをもたれるかもしれませんが、同世代と比べて初任給が高めに設定されていることが多いです。

命を預かる仕事なので重い責任を伴いますが、その分給与面の待遇は良いと言われています。

また、目標管理制度を取り入れているところも多く、上司との評価面談等を通して評価を受けられます。

長く勤務を続けて、自身の役割を果たしていればしっかりと昇給していくことが多いので安心してくださいね。

 

産婦人科の看護師が辛い12の理由のまとめ

産婦人科の看護師が辛い理由に対して、一言アドバイス表をつくりましたので、ぜひ、お読みになってご活用くださいね。

No 看護師からの一言アドバイス
①不規則な勤務 十分な睡眠と休息を取り、自分に合った疲労回復グッズを活用して乗り越えよう
②長時間労働 前後の時間帯の看護師や多職種と協力したり、最新のシステムに上手く頼ろう
③休息時間の確保 先輩に相談しながら1日の業務の流れを予測して、休憩時間を確保しよう
④業務量の増加 新しい知識や幅広い領域を少しずつ勉強して、自信をもって効率的に業務をこなそう
⑤夜勤や休日出勤 自分の予定に合わせて休み希望を出して、プライベートの時間を楽しもう
⑥女性が多い職場環境 コミュニケーションを重視して、無理のない人間関係を築いていこう
⑦古い体質 「教えてもらいたい」という積極的な姿勢で先輩と良好な関係を築いていこう
⑧パワハラ・セクハラ 小さなことでも一人で抱え込まずに、相談窓口や上司に早めに相談しよう
⑨出産・育児との両立 大事なことは早めに上司に報告し、経験のある先輩や医師に相談して乗り越えよう
⑩家庭との両立 家族とよく話し合って相互理解を深め、平日の休みや夜勤明けの時間を上手く活用しよう
⑪転職の難しさ 専門的知識や幅広い経験を積んだことに自信をもって、たくさんの選択肢から自分にあった転職先を探そう
⑫昇進・昇格の難しさ 目標に向かって日々の業務を頑張り、評価面談ではしっかり自分をアピールしよう

 

 

 

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