助産師になるには?

「助産師になるにはどうしたらいいんだろう?」

「助産師って簡単になれるの?」

さまざまな理由で助産師という職業を知り、助産師として働いてみたいと思った方はこんな疑問をもつと思います。

助産師は命の誕生に関わることのできるやりがいのある職業です。

命にかかわる職業だからこそ、資格をとるには最短で4年の勉強期間が必要になります。

この記事では、助産師の資格を持っている私の経験もふまえて、助産師資格取得方法について解説していきます。

助産師になるには?助産師の前に看護師資格が必要

助産師は看護師資格を持っている方が、次に取得できる資格です。

看護師、助産師、保健師の3つの職業をまとめて看護職といいます。

看護職=看護師・保健師・助産師 のこと。

看護職の中でも看護師資格が基本となっており、看護師の知識や資格を持っている人が、助産師と保健師の資格取得を目指せるようなルールになっています。

「看護師資格は取りたくないけど助産師資格だけ取りたい」ということはできないため注意しましょう。

以下が看護師資格を取得できる場所です。

  • 大学の看護科
  • 専門学校の看護科
  • 看護師養成短期大学
  • 5年一貫の看護高等学校

詳しく解説していきます。

助産師の資格を取るには、看護師の資格が必須となります。

まずは看護師資格取得のための進路を解説します。

助産師になるには?4年制大学の看護科を卒業する!

看護師資格を取るには、4年制大学の看護学科で勉強します。

4年制の大学には、看護系専門の看護大学や、総合大学の中に看護学科が置かれているところもあります。

4年かけて看護師の勉強をするため、比較的時間をかけながら看護師資格取得を目指せます。

看護系分野以外の科目も勉強するため、看護に限らずさまざまな分野を勉強して視野を広げたい方に向いています。

また、長期休暇が1~2か月と長く設定されている大学が多く、その間で短期留学や興味のある分野の研究、資格取得に向けての勉強など、自身のやりたいことを実践できる環境となっています。

4年制大学では、看護学・助産学以外の視野を広げることも可能

4年制大学の中には、4年間の中で助産師資格の勉強も同時にできるコースを設けている大学もあります。

その場合、国家試験は看護師と助産師と同時に受けることができて、無事合格できれば、大学卒業後すぐに助産師として働くことができます。

注意していただきたいことは、助産師希望のある学生全員が助産師の勉強をできるわけではないということです。

同じ大学の中で、選抜試験に受かった人が助産師の勉強ができるというパターンが多いです。

また、同じ大学内に看護学科と助産学科を設けているところもあり、その場合は看護学科卒業後に助産学科へ入学することも可能です。

4年制大学での看護師資格取得は、看護師以外のさまざまな分野の勉強もしたい方や、できるだけ最短で助産師として働きたい方に向いています。

4年制大学の助産学専攻の選抜試験に通るには、

看護学の学習成績も重要となることを覚えておきましょう。

助産師になるには?看護師養成短期大学/専門学校を卒業する!

看護師養成短期大学や専門学校では3年間で看護師資格取得ができます。

3年の時間の中で、看護師資格取得のための勉強や実習を行っていきます。

看護師養成短期大学や専門学校のイメージとしては、通常の高等学校などに近いです。

同じクラスメンバーで決まった科目の勉強をこなしていき、テストに合格して単位が取れます。

看護の勉強だけに集中できるため、現場に出た時に即戦力になるような看護師を目指せます。

看護師養成短期大学や専門学校では、現場に適応できる実践力を身に付けることができる

看護師養成短期大学や専門学校の看護学科は、教員と学生の距離が近く、さまざまなことで教員に相談しやすい環境であることが多いです。

看護師養成短期大学と専門学校は、3年間で看護師資格がとれる点は同じですが、異なる点もあります。

看護師養成短期大学は、卒業後に4年制大学に編入して、さらに幅広く学んだり、興味のある分野の研究に取り組んだりすることができます。

しかし、近年は看護師養成短期大学は減少傾向にあり、4年制大学か専門学校で資格取得を目指す人が多い現状があります。

また、専門学校は短期大学よりも学費が安い場合が多いという点も違いとして挙げられます。

助産師資格取得に向けて、最短で看護師資格を取得したいと思っている方は、看護師養成短期大学や専門学校で学ぶことがおすすめといえます。

まずは看護師資格を少しでも早く取りたいという方には、

短期大学や専門学校がおすすめです。

助産師になるには?5年一貫の看護高等学校を卒業する!

看護師資格取得のために、5年一貫の看護高等学校を卒業する選択肢があります。

看護高等学校は中学卒業後に入学可能な看護師養成学校になるため、5年で看護師国家試験受験ができます。

その後、助産師養成機関で1~2年学ぶことで助産師になれるため、年齢的にできるだけ若いうちに助産師資格まで取得したいという方には、最短ルートといえます。

5年一貫の看護高等学校は、高校卒業と看護師学校卒業の認定を得ることができます。

5年一貫の看護高等学校では5年で高校卒業と看護師学校卒業の認定がもらえる

看護師を目指す方なら、20歳から働き始めることができます。

また、通常の高等学校卒業後に看護師養成学校に入る場合、高校受験と看護学校受験の2回の受験が必要ですが、看護高等学校であれば1度の受験で看護師資格まで目指すことができます。

高校で学ぶ基礎的な科目とあわせ、看護学にかかわる分野をより若いうちから学ぶことができ、通常の高等学校とは違った学生生活を送ることができます。

5年一貫の看護高等学校は、

できるだけ若いうちから資格を取って現場で働きたい方におすすめです。

助産師になるには?助産師教育課程を修了!

看護師資格を取得または、看護師国家試験受験資格を得ることができたら、助産師教育課程で学ぶことで助産師を目指すことができます。

助産師教育課程は大きく分けて、大学の助産学科、専門学校の助産学科、大学院があります。

助産師教育課程では、それまでに学んだ看護学をもとに助産分野を学び、実習を受けていきます。

助産学の基礎は看護学である

1~2年という短期間で資格取得を目指すため、ハードなスケジュールとなる場合もあります。

また、4年制大学の看護学科で助産課程も受けられる大学で、看護師と助産師の勉強を同時にするというルートもあります。

私も、もともとは4年制大学で助産師も同時に取るつもりでしたが、大学内の助産専攻の選抜に落ちてしまい、大学では看護師のみを取得し、大学卒業後に専門学校の助産学科に入学しました。

専門学校の助産学科での1年は看護師の勉強よりも大変な1年であったと感じています。

座学の単位を取れていないと実習に行くことができないため、テスト勉強をしながら課題をこなしていき、さらに実習に向けての実技練習もする必要があり、夏休みも学校に行くことも多かったです。

大変だった分、専門学校を卒業するときには、言葉にできない達成感で涙していたことも覚えています。

助産師教育課程もさまざま教育機関があるため、より自分に合った、学びを続けられる学校に行けるように、慎重に学校を選んでいきましょう。

自分に合った学習期間かどうかや学習環境、雰囲気なども確認して、

助産師学校を選んでみてください。

助産師になるには?助産師国家試験に合格する!

看護師資格を取得でき、助産師教育課程を終えることができれば、あとは助産師国家試験に合格するのみとなります。

助産学校や助産学科では、実習が12~1月ごろまで続くことが多く、2月の国家試験に向けて、実習の合間で国家試験勉強を始めていくことになります。

助産師の国家試験は、看護師同様に選択問題形式です。

試験勉強には、学校から勧められるような問題集をやりこんで完璧にして、あとは過去問をこなしていくことがおすすめです。

問題集を何冊も買って問題を解くよりも、1冊の問題集を徹底的に行いましょう。

具体的には、選択問題にただ正解するだけでなく、「他の選択肢は何が間違っているのか」まで一つ一つ理解しながら問題を解いていくようにします。

過去問題に関しても同様に、選択肢一つ一つの理解を深めるように勉強します。

正しい選択肢を選ぶだけでなく、誤った選択肢は何が違うのかまで学習することで一つの問題集でもより深い勉強ができる

そのように学習することで、何冊も問題集を買わなくても効率よく試験勉強ができます。

私自身もその方法で勉強して、無事国家試験に合格しました。

また、4年制看護大学で、看護師と助産師の国家試験を同時に受験する人は、看護師の試験勉強を試験年度の春ごろから始め、助産師の試験勉強を秋~冬ごろに始めている人が多いです。

同時に受験となると、「合格が難しいのではないか」と思う人もいますが、同時受験だからと言って合格率が下がるという傾向はありません。

助産師の試験勉強は看護師の試験内容が基礎になっているため、同時に勉強することで理解が深められるといえます。

助産師教育課程を受けて、助産師国家試験に合格できれば、念願の助産師として働くことができます。

国家試験に向けての勉強方法は人それぞれ。

自分に合った勉強法が分からない人は、

まずは1冊の問題集をやりこみましょう。

助産師になるには?ぞれぞれのルートで何年かかる?

助産師になるためにかかる年数をまとめます。

  • 一般の高等学校卒業後
看護師資格取得 助産師資格取得 かかる年数
4年制大学看護学科(4年) 専門学校助産学科・大学助産学科(1年) 5年
大学院(2年) 6年
助産課程のある4年制大学看護学科 4年
短期大学看護学科(3年) 専門学校助産学科(1年) 4年
専門学校看護学科(3年) 4年
  • 中学校卒業後
看護師資格取得 助産師資格取得 かかる年数
5年一貫の看護高等学校(5年) 専門学校助産学科(1年) 6年

上記が助産師になるためにそれぞれのルートでかかる年数です。

高校卒業後から助産師になるには最短で4年、じっくり学びたい場合は6年かけて学ぶことができます。

助産師になるためにかかる年数は約4~6年

義務教育卒業後ストレートに進んだとすれば、最短で22歳で助産師になることが可能です。

また、中学校卒業から助産師に向けての勉強を始めたい方は、5年一貫の看護高等学校に進学すると、最短で6年間で助産師取得ができるため、21歳から助産師として働くことが可能になります。

「とにかく早く助産師になって現場での経験を積んでいきたい」や「時間をかけてしっかり学んでから助産師として働きたい」など、自身に合った学習過程を考え、助産師免許取得への道を考えていきましょう。

どのような助産師になりたいかをイメージしながら、

イメージが実現できそうなルートを考えていきましょう。

助産師になるには?どれくらいの学費が必要?

助産師になるためにかかる学費は、どの学校を選ぶか、どのようなルートで助産師資格取得を目指すのかによってさまざまといえます。

そもそも学費には

  • 入学金
  • 授業料
  • 実習費
  • 設備費

などが含まれます。

助産師になるための各ルートでどれくらいの学費がかかるのかおよその金額を表にまとめます。

教育機関 およその学費
4年制大学 国公立 250万円
私立 500万~800万円
短期大学看護学科 400万円
専門学校看護学科 公立 60万円
私立 250万~450万円
専門学校助産学科 100万~200万円

例えば、国公立4年制大学でスムーズに助産師資格まで取れれば、250万円程度の学費のなりますが、4年で看護師の資格のみの取得であると、専門学校助産学科に通う学費が追加されるため、合わせて400万円程度は必要となります。

上記の表を参考に、自身が助産師資格取得のために進もうと思っているルートにかかる学費を考えてみてください。

学費についての解説をしましたが、学校に通うには人によっては1人暮らしの費用がかかったり、自宅から通う交通費がかかったりするため、学費だけあればいいというわけではないことに注意しましょう。

学費以外にも、交通費、生活費など学校生活にかかるお金は多い。

看護系の学校では、実習などもあるため、思うようにアルバイトができない場合もあるため、余裕を持った費用の想定が必要です。

ただ、「こんなにお金がかかるなら、私には助産師を目指すのは難しい」「うちにはこんなお金がない」と思って助産師をあきらめることはもったいないです。

大学や専門学校では、奨学金制度が充実しており、経済面で学業をあきらめることがないようになっています。

また、看護職であれば病院から奨学金をもらい、決まった年数就業すれば返還免除となる制度もあります。

私自身も奨学金制度を利用して助産師資格取得をしており、奨学金を活用して働いている人はたくさんいます。

気になる学校や病院があれば、そこで利用できる奨学金はどのようなものがあるかを調べて活用し、経済面で無理なく学業に専念できるようにしていきましょう。

お金の心配があると学業に専念できません。

奨学金制度を積極的に活用し、

助産師になるための勉強に集中できるようにしましょう。

助産師になるには?精神的・身体的に健全!

助産師になるには、精神的・身体的に健全であることが求められます。

助産師資格取得には、必要な教育課程を受けることが必須ですが、その過程を修了することは簡単なことではありません。

看護師になるための勉強を3~5年かけて行ったあと、さらに1~2年かけて助産師を目指すため、勉強が続けることができる気持ちが必要です。

また、助産師養成教育は、看護師養成教育よりも、ハードであることがほとんどです。

特に助産師の病院実習は、記録物が多く、帰宅後睡眠時間を削りながら記録をこなし、次の実習に向けての準備をするなど、体力が必要となります。

さらに、助産師の実習は同じ病院で1か月以上実習を続けることが多いため、緊張感のある実習環境に耐えられる精神状態であることも求められます。

助産学実習は看護学実習よりもハードであることが多く、体力・精神力が求められる

ここまで聞くと、「そんな実習や勉強が大変なら、自分には無理だな」と思う方もいるかもしれません。

しかし、このような教育課程を乗り越えて現場で働いている助産師は多く、誰もが体力にも精神的にも健康だと自信を持っているわけではありません。

大切なことは、「助産師になりたい」「助産師の仕事に興味がある」という気持ちがあることだといえます。

客観的には厳しく見える実習や勉強も、助産師への意欲があれば楽しく乗り越える人もいます。

助産師になるには、精神的・身体的に健全であることに越したことはありませんが、それだけがすべてではないことを知っておきましょう。

助産師になるための勉強や実習は決して楽ではありませんが、

それを乗り越えて取得した助産師のスキルや経験は非常に強いです。

助産師になるには?助産師としての資質を有してると認められる者!

助産師になるには、助産師としての資質を有していると認められる人である必要があります。

まず第一に、日本において助産師は女性にしか資格取得が認められていません。

そして、助産師になるには看護師資格を持っている必要があります。

助産師になるための前提は「女性であること」「看護師資格を有していること」

この2つの条件を前提に、求められる資質は下記のようなことが挙げられます。

  • 心身ともに妊婦さんに寄り添える人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • チームで協調して頑張れる人
  • いざというときに決断できる人
  • 気持ちの切り替えが上手な人
  • 責任感や倫理観を持ち合わせた人
  • 赤ちゃんや出産に関心がある人
  • 危機的な状況でも冷静に仕事ができる人

このような資質を有しているかを試される場は多くありますが、その1つが助産師養成教育機関への入学試験時であると考えます。

入学試験では筆記試験だけでなく、面接試験を同時に行うところが多いです。

面接の中で、助産師としての資質があるのかを確認されます。

とは言っても、全ての資質を持ち合わせている人はなかなかおらず、完璧を求められるわけではありません。

面接では、受験者の人柄も重要なチェック項目となっています。

入学試験の面接以外では、助産学実習でも助産師としての資質が試されます。

実際の現場で、妊産婦さんや医療機関のスタッフと関わる中でその資質の有無が重要となりますが、欠けていると思われた部分でも、その力を養っていくことも可能です。

助産師を目指すうえで、自身に何が足りないか自己分析できる力も必要と言えます。

以上のように、助産師としての資質を有していることは重要ですが、足りない部分を養っていく力があることも重要です。

助産師を目指すうえで、自分にはどんな強みがあるのか、

またどんなところが弱いのか、を自己分析してみましょう。

まとめ

今回の記事では、「助産師になるには?」というテーマで、助産になるためにかかる期間や費用、助産師に求められる資質について解説しました。

助産師の資格取得のためのルートが、今までよりも具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。

この内容を参考に、助産師を目指すためのプランを立てて、助産師資格取得のための勉強のモチベーションをUPしていきましょう。

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