「いつの間にか後輩指導をする立場になっていた」
「仕事には慣れてきたはずなのに悩みが尽きない」
こんな風に思っている中堅看護師は多いです。
看護師の「中堅」という言葉には明確な定義はありません。
看護師として働き続けていると、いつの間にか中堅看護師といわれる立場になっており、新人のころとは違った悩みを抱えることになります。
この記事では、中堅看護師ならではの悩みを、「看護師あるある」として紹介していきます。
- 1. 給料と労働が見合ってないと感じる
- 2. 上司と後輩との板挟み
- 3. 紙カルテから電子カルテへの変更に戸惑う
- 4. 最新の医療用語への戸惑い
- 5. 新人看護師を指導する立場になり、自分の負担が増加
- 6. 新人を指導するにあたり、周囲からの評価が気になりはじめた
- 7. 新人のミスの対処に、残業や疲れ、ストレスがたまる
- 8. 新人のミスで自分を責めたい気持ちになる
- 9. 結婚、妊娠、出産を機に看護師退職する
- 10. 毎日の勤務で、自分の体調管理ができない
- 11. 配偶者の転勤で退職を決めた
- 12. 休暇が思うように取れず、家族との時間が持てない
- 13. 自分の代わりがいなくて、急には休みにくくなった
- 14. 同期が辞めていってしまう
- まとめ 看護師あるある!【中堅編】
1. 給料と労働が見合ってないと感じる
中堅看護師になると、仕事に対し給料が見合ってないと感じるようになります。
新人のころとは違い、仕事をてきぱきこなせるようになり、効率よく業務をこなせるようになる一方で、任される業務が増えるためです。
任される業務というのは、通常の業務もありますが、それ以外で病院組織としての委員会などの業務が増えていきます。
病院や医療機関によって、さまざまな組織があり、中堅看護師はその活動も担う立場となります。
通常業務をしながら、自分で時間を作ってその仕事も行う必要があり、時には残業になることもあります。
通常の業務では、リーダー業務や後輩指導など、より責任が大きい仕事を任されます。
中堅という立場は実戦経験を求められるため、ベテランのスタッフよりも多くの仕事を任されることもよくあります。
そのような業務の中でも、看護師の給料が大きくUPすることはなく、経験年数に応じて少しずつ基本給がUPしていく程度で、仕事と見合ってないと思うことにつながります。
私自身は、中堅といってもまだ自分のことで精一杯な部分もあり、その中で任される仕事が増えて、労働はハードになっていると感じています。
「こんなに頑張っているのに、給料は変化がない」とモチベーションが下がることや、ひどい時には、自分より仕事が少ないベテランの先輩の方がもらっている給料が多いことにもやもやしてしまうこともあります。
モチベーションを維持して看護師を続けるためにも、より効率よく仕事ができるよう努力し、少しでも自分の負担を減らしていくことが大切です。
少しでも自分の負担を減らして、モチベーションを維持していきましょう。
2. 上司と後輩との板挟み
中堅看護師は、上司と後輩どちらとも関わることが多く、板挟みになりやすい立場です。
新人のころは先輩ばかりだった職場も、気が付けば後輩が増えており、自分が先輩として関わるようになります。
後輩指導は、上司ではなく中堅看護師に任されることが多いです。
後輩にとっては、上司では立場が離れすぎており相談などがしづらいため、年の近い中堅看護師に託されます。
中堅看護師は、上司、後輩それぞれから話を聞くため、双方の意見に板挟みになり、対応に困ることも出てきます。
例えば、上司から、
「〇〇(後輩)さん、処置がうまくできてなかったみたいだから伝えておいて」
と言われたとします。
しかし後輩に話を聞いても、
「問題なく処置できました。」
と言われてしまうと、どちらの話が合っているのか、どこで話がずれてしまっているのか、と中堅看護師が頭を悩ませることになります。
私もそのような状況に陥った時には、双方から再度話をしっかり聞くようにしています。
それでも、「自分では対処が難しい」と思った場合は他の同僚や頼れるスタッフに助けを求めています。
板挟み状態になっている時は自分だけで解決しようとせず、周りに頼ることが大切です。
周りに頼って、板挟み状態から抜け出しましょう。
3. 紙カルテから電子カルテへの変更に戸惑う
看護師として長く勤めていると、カルテの変更という壁に当たることがあります。
医療機関によってカルテのシステムは違うため、紙カルテの病院もあれば電子カルテの病院もあります。
カルテが変わる際には、紙から電子になることがほとんどであり、それまでのやり方に慣れていた中堅看護師にとってその変化についていくことは簡単ではありません。
紙カルテは比較的シンプルに看護記録ができますが、電子カルテはパソコンなどの機械を使いながら記録するため、使いこなすまでに時間がかかります。
電子カルテに慣れるまでは、記録に時間がかかってしまい、スムーズに業務も進められません。
私も紙カルテを使用していた時があり、電子カルテになった時には、初めは慣れない作業に戸惑ってしまっていましたが、使っていくうちにスムーズに使用できるようになりました。
電子カルテはさまざまな機能があり、使えるようになれば非常に便利です。
現在、総合病院など大きな医療機関では、既に電子カルテを導入しているところがほとんどです。
逆に転職などで、電子カルテから紙カルテになり戸惑うということも中堅看護師にはあるあるかもしれません。
電子カルテへの変更は戸惑いますが、
慣れればスムーズに業務ができるようになります。
4. 最新の医療用語への戸惑い
医療がどんどん進歩していく中で、新しい医療用語が出てきたり、それまでの言い方が変更になったりして、戸惑う事がよくあります。
中堅看護師にとっては、定着していた医療用語を変えることは容易なことではありません。
新人の方が新しい医療用語を知っているということもよくあることで、中堅が新人から教わることもあります。
私は、研修などを通して新しい医療用語を知ることが多くありました。
通常の勤務をしているだけでは、最新の情報を知ることは難しいです。
最新の治療について行くためには、積極的に研修や学習会の場に参加することが必要です。
実際、積極的に学習会などに参加するのは、中堅看護師が多いようにも感じています。
新人は業務でいっぱいいっぱいでそこまでの余裕はなく、ベテランになると自身の家庭のことなど仕事以外の事情もあり参加するタイミングが減っていきます。
そのため、研修に参加した中堅看護師がベテランの先輩や、後輩に新しい情報を伝えるという場も多くなります。
最新の医療用語について行くのは容易なことではありませんが、
戸惑いつつも、ついて行けているのが中堅看護師の強みでもあります。
5. 新人看護師を指導する立場になり、自分の負担が増加
中堅看護師は、新人指導の指導をする立場になり、自分の負担が増えてしまいがちです。
新人看護師への指導は、通常の業務に加えて行うことがほとんどであるためです。
それまでは、自分の仕事だけを問題なくこなしていればよかったことが、中堅看護師になると新人看護師の指導も同時にこなしていくことが求められます。
特に、中堅と呼ばれるようになったばかりのうちは、指導に不慣れでうまくいかないことがほとんどです。
特に技術面や知識面についての新人指導は難しいです。
指導を任され始めたころは、自分で技術の実践や看護ケアを行っていくことはスムーズにできても、それを人に教えようとするとうまく説明できなかったり、指導するだけの十分な知識がなかったりということを痛感していました。
新人指導がうまくいかないという悩みは心身ともに大きな負担となります。
私も新人指導にはとても悩みましたし、その悩みは今でもなくなりません。
初めのころは、「どのように説明すればうまく伝わるのか」「伝えている知識は間違っていないか」といつも思っていました。
指導内容に自信がなかったときは、再度学び直したり、新人さんと一緒に参考書で確認をしたりするようにして、自分も一緒に学んでいくことを意識しています。
また新人看護師が成長できるような指導を行うことも大切で、こちらから答えをいうばかりでは適切な指導とは言えません。
新人看護師が自ら考えながら行動できるようにリードし、うまくできなかったときも自信をなくさせないように、言葉かけをしていく必要があります。
このように、新人看護師への指導は難しく感じることが多く、自分の負担が増えてしまうことになります。
新人教育は難しいですが、一緒に学んでいくつもりで臨みましょう。
6. 新人を指導するにあたり、周囲からの評価が気になりはじめた
新人への指導をしている中堅看護師は、周囲からの評価が気になるようになります。
自身が指導した新人看護師がスムーズに仕事ができるようになると、指導方法は間違っていなかったと思えます。
逆に指導を受けた新人看護師がスムーズに成長できていないと、他のスタッフから「指導方法が悪かったんじゃないか」と思われているように感じてしまう人もいます。
ただ、前提として「新人の成長=指導方法の良し悪し」ではありません。指導を受ける新人看護師の性格や能力の問題もあります。
新人看護師の成長がスムーズでなかったとしても、中堅看護師が自身の評価を気にする必要はありません。
そうはいっても、やはり自分が指導をした看護師の成長と指導方法は合わせて考えてしまいます。
実際の現場でも、新人さんが仕事でミスをしたり、うまくできていなかったりしたことに関しては、指導担当になっている中堅看護師に話が回ってきて「どういう風に説明してる?」と聞かれることもあります。
周りはそうは思っていなくても、このような話をされてしまうと「自分の教え方が間違っていたのかな」「指導力がないと思われてしまっているのではないか」と感じてしまうことが、私自身もよくあります。
新人指導は、中堅看護師だけの仕事ではなく、職場全体で取り組むことであり、中堅看護師が自身の評価を気にする必要はありません。
「周囲からの評価が気になる」といったストレスを少しでも軽減して、新人指導ができるよう心がけましょう。
新人看護師は職場全体で育てていきましょう。
7. 新人のミスの対処に、残業や疲れ、ストレスがたまる
中堅看護師のストレスの要因に、新人のミスの対処によるものがあげられます。
中堅になると、新人のフォローをしながら業務をすることが増えます。
独り立ちし始めた新人を見守りつつ自分の業務も行うのです。
新人看護師は、独り立ちしてきたとはいえ、ミスすることは多いものです。
新人のミスは程度にもよりますが、仕方ないことだと割り切るしかありません。
しかし、その対処をするのは、フォローについている中堅看護師の役割になります。
新人にとっては、ミスしたときにどう対応するかも学んでいくべきことであり、その方法をゆっくり教えられることが理想です。
しかし、時間に追われている時のミスや、他部署とのやり取りが必要な時などは新人にゆっくり教えている暇がなく、業務終了後に振り返りを行うことが多いです。
私の経験で、新人看護師が手術当日の患者さんを受け持っており、そのフォローをしながら自身の業務をする機会がありました。
その新人看護師は、手術準備は何度か経験していたため、任せてしまっていました。
手術出棟時間が近づき、患者さんの準備ができているか最終確認に向かったところ、患者さんがまだ手術着に着替え終わっておらず、時間通りに出棟できない状況でした。
その際には、手術室に時間に遅れてしまうことを連絡し、患者さんの準備を急ぎ、新人の代わりに患者さんを手術室へお連れし、出術室スタッフにも謝罪をしました。
この件は、新人看護師の時間管理能力や、患者さんが高齢で着替えなどに予想以上に時間がかかってしまったことが原因でした。
この対応をしている間、私自身の業務は滞ってしまい、最終的に残業につながったり、新人との振り返りも業務時間終了後になったりして、疲労感やストレスとなっていました。
新人看護師の教育のために、必要なことであり仕方ないことでもありますが、時にはイライラしてしまいそうな気持ちを抑えながら、ミスの対処に当たっていたこともあります。
中堅看護師自身も、新人のフォローにつくときは、時間にゆとりを持って業務ができるように、時間や業務の管理をしていくことが、ストレス軽減のためにも大切だと感じています。
中堅看護師にストレスがかかりすぎないように、
ゆとりの持った新人教育が必要です。
8. 新人のミスで自分を責めたい気持ちになる
新人看護師がミスしてしまったことで、自分を責めたくなる時があります。
新人看護師のミスは、しっかり見守りや確認を行っていれば防ぐことができるミスが多いです。
新人自身も、ミスをしてしまったことで自分を責めたり、自信をなくしたりすることもあり、医師や他のスタッフから厳しい言葉を言われて恐怖感を持ってしまうことさえあります。
このような時、中堅看護師は「自分がもっと確認していれば、新人看護師をこんな気持ちにさせずに済んだのに・・・」と思い、自分を責めたい気持ちになります。
私は以前、勤務の中で独り立ちしたばかりの新人看護師のフォローを任された時がありました。
その日は、私自身も通常の患者受け持ち業務があったため、その合間で新人看護師の相談に乗ったり、アセスメントの確認をしたりする必要がありました。
新人看護師には「何か迷ったり困ったことがあったら声をかけてね」と伝えていましたが、業務が始まってからは自分のことに追われ、こちらから新人看護師に対しての声かけが十分にできていない状況でした。
ただ、その日は何もなく業務も終わったようで、新人看護師から「大丈夫でした」と発言があり、私もほっとしていたのですが、問題は翌日に発覚しました。
次の日も勤務だった私は、同僚から「〇〇(患者)さんの退院準備ってどうなってる?」と言われ、ハッとしました。
その患者さんは前日に新人看護師が受け持っていた患者さんで、退院を翌日に控えていました。
通常、退院前の書類や内服薬の準備などは前日のうちに行っておき、当日はスムーズに退院できるようにしなければならないのですが、その準備が全くできていなかったのです。
もちろんその日の自分の業務がありましたが、前日しっかりフォローできていなかった私のミスであるため、患者さんの退院準備を当日の受け持ちスタッフとともに行うこととなりました。
内服薬などは医師に依頼する必要もあり、「もっと早く言ってくれないと困る」と少し怒られつつ、どうにか準備を間に合わせることができました。
(この場合、主治医も自分の患者さんの退院準備を自分で確認してくれていなかったという問題もありますが)
後日新人看護師にも、準備不足だったことを伝えましたが、「私がちゃんと確認していれば・・・」という気持ちが強かったです。
このように新人看護師のミスは、自分のミスのように考えて自分を責めてしまう中堅看護師は多いと思います。
新人看護師のミスで自分を責めたくなりますが、それ以上に落ち込んでいる新人さんのメンタルケアを忘れないようにしたいですね。
9. 結婚、妊娠、出産を機に看護師退職する
中堅看護師になると、結婚、妊娠、出産を機に退職する人が多くなります。
20代 | 30代 | |
1位 | 結婚 | 結婚 |
2位 | 転居 | 妊娠・出産 |
3位 | 看護職の他の職場への興味 | 子育て |
上記が、中堅看護師世代の退職理由です。
(参考ページ:https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001140978.pdf
「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」令和5年9月1日 第195回職業安定分科会 参考資料)
新人のころは、仕事に慣れることに必死でプライベートは後回しになる場合が多く、仕事が落ち着いてきた中堅と呼ばれる時期が、自分のライフプランを改めて考えるタイミングになりやすいといえます。
看護師をやめるまではしなくても、結婚で引っ越しなどを機に働く病院を変える、転職という選択をする人もいます。
私の身の回りでも、看護師歴が4,5年を過ぎてくると、結婚や妊娠、出産のタイミングで看護師をやめたり、産休育休には入ったりする人が多いです。
このような人生のイベントがあっても、同じ病院で働き続ける人ももちろんいます。
結婚や出産に対して、病院からお祝い金をもらえることや、同じ職場で長く働くほうが基本給も多くなるメリットもあります。
なにより、慣れた職場で働くほうがストレスが少なく働けるという人もいます。
このようなメリットがあっても、今後のライフプランを考え退職を選んだり、「看護師以外の生活をしてみたい」「違う病院を経験してスキルアップを目指したい」という理由から退職を選ぶ中堅看護師が多いです。
看護師は国家資格であり就職に困らないという点で、一般企業などに比べて結婚、妊娠、出産を機にいったん退職を考える人が多いのでしょう。
中堅看護師の退職理由はさまざまですが、
ライフイベントによることが多いです。
10. 毎日の勤務で、自分の体調管理ができない
毎日のように続く勤務で、自分自身の体調管理が十分にできなくなることがあります。
体調管理の難しさは、どの世代の看護師にも言えることですが、特に中堅看護師は新人のころとは違った緊張感やプレッシャーがあります。
また、通常業務以外の委員会活動や新人フォローなどで、残業せざるを得ないことも増えます。
身体的にもメンタル的にも体調管理が難しくなるため、休日の過ごし方が重要になります。
休日の過ごし方に正解はなく、自分に合ったリフレッシュ方法を見つける必要があります。
例えば、友達と会って食事をしたり話したりしてリフレッシュできる人もいれば、家でゆっくり過ごす方がよいという人もいます。
月に10日前後の休日のスケジューリングも重要です。
休みのたびに外出して人に会って、という過ごし方も楽しめると思いますがその反面、体力的には負担になる人も多いです。
家でゆっくりする日と外出する日をバランスよく組み込む方が、「健康的に仕事を続けながらプライベートを楽しむ」ことがしやすくなります。
私も仕事で忙しいことが続き体調がいまいちという時には、思い切って何も予定のない日を作り、家で家事などだけして過ごしてみたり、友達と会うとしてもランチだけにして夜はゆっくり過ごすようにしてみたりしています。
私の場合は、友達と話すことでもリフレッシュになりますが、1日中遊ぶことはその後が体力的に辛いこともあるので、家でゆっくり過ごす日を多めにしてバランスをとっています。
新人のころに比べて仕事ができるようになった中堅看護師だからこそ、無理して仕事を抱え込まないように気を付け、休日は自分に合ったリフレッシュ方法でしっかり身体と心を休めることを大切にしていきましょう。
身体も心も健康に、プライベートを楽しみながら仕事を続けたいですね。
11. 配偶者の転勤で退職を決めた
長く同じ職場で働いている看護師でも、配偶者の転勤など家族の都合で退職を決めることがあります。
中堅看護師の中には、結婚や妊娠、出産後も同じ職場で働き続けているという人も珍しくありませんが、そんな人でも家族の都合で退職するケースがあります。
仕事に対する考え方や価値観は人それぞれですが、家庭を持つと自分の都合よりも家族の都合を優先することが多いのではないでしょうか。
もちろん、家族内で話し合った結果の退職であるため、それが良いとか悪いという話ではありません。
中堅になると、仕事よりプライベートを優先できるという一つの成長であるのではないかと思います。
私の友人で、妊娠出産後も同じ職場で働いていたのですが、配偶者の都合で退職した人がいました。
その配偶者は会社員でしたが、脱サラして農業をするために北海道へ行くと決めたようです。
友人はそこについて行き、一緒に農業の勉強をすると言って退職しました。
配偶者の思い切った決断について行った友人に、当時の私は「大丈夫なのかな」と心配していた半面、うらやましく思った記憶もあります。
看護師は国家資格で、再就職にも困らないからこそ一度仕事をやめるという決断もできるため、やりたいことができるというメリットもある仕事だと思います。
看護師だからこそ家族に合わせた転職や退職も選択肢になりやすいといえます。
12. 休暇が思うように取れず、家族との時間が持てない
看護師は不定休であり休暇の予定を組みにくく、家族との時間などプライベートの時間の調整が難しいです。
家族はカレンダー通りの休みで自分だけ不定休であるパターンや、家族も自分も不定休のパターンなどがあり、どちらにしても予定を合わせることが難しくなります。
看護師の勤務上、休み希望を出せる日数は限られており、多くても5日程度である職場がほとんどの印象です。
「家族と住んでいるけど、一人の時間も大事にしたい」という方にとっては、ちょうどよいという人もいます。
ただ、子どもがいるという方は特に「子どもと過ごす時間をちゃんと取りたい」という思いがあり、思うように休暇が取れないことがストレスになることもあります。
そのような思いから、休みがある程度決まっている外来勤務や、クリニック勤務へ転職したり、退職したりする中堅看護師もいます。
仕事よりもプライベートが第一だと考えている私にとっては、プライベートが充実していないと「なんのために働いているんだろう」と仕事のモチベーションも下がっていくので、自分のプライベートを充実させられる職場を選ぶことはとても大切なことです。
休暇が取りにくい看護師だからこそ、自分に合った勤務形態やシフト調整ができる職場選びをして、家族との時間を大事にしていきましょう。
ライフワークバランスを意識した職場選びが大切です。
13. 自分の代わりがいなくて、急には休みにくくなった
中堅看護師は、任される役割が増えるなどの理由で自分の代わりを探すのが難しく、急な休みは取りにくいことがあります。
看護師が急な休みや勤務交代をする場合、自分と同じくらいのレベルの同僚か、先輩にお願いしなければ勤務が成り立たなくなることが多いです。
しかし、中堅看護師は産休育休や退職などが多い年齢層であり、職場にその人数が少ないです。
そんな中で、自分の体調不良や家族の体調不良などがあった場合、休むことを申し訳ないと思い休みを取ることをためらう中堅看護師は多いです。
特に責任感の強い看護師という職業上、そう思ってしまいやすいのでしょう。
本来看護師は一人で仕事をする職業ではなく、チームで病棟などの業務を回していく職業であり、一人休んだから回らないということはありません。
ただ、多くの場所で看護師不足が問題となっている現在は、一人欠けることが大きな負担になってしまうと感じている現役看護師は多いと思います。
実際、私が働く職場ではスタッフが足りないとはいえ、一人が急に休んでも他のメンバーでどうにか回していますし、休むことは仕方なくお互いさまだと思っています。
しかし、私自身も自分が出なければいけない会議や任せられていた業務がある日などに、体調が悪くなってしまった場合、どうにか出勤できないだろうかと考えてしまいます。
もちろん、無理して働くことは患者さんの安全のためにも良くないので、休む必要があるときは潔く休むという気持ちも必要です。
人員不足という医療現場の問題と、任される業務の多さが中堅看護師のプレッシャーになって、「急には休みにくい」という状況になっています。
急に自分が休まざるを得なくなっても周りが困らないように
日ごろから業務を共有しておきましょう。
14. 同期が辞めていってしまう
中堅看護師になると、同期が辞めてしまうというあるあるがあります。
ここまでにお伝えした内容のように、中堅看護師はさまざまな理由から転職や退職を選択することが増える年齢層です。
私の経験では3~6年くらいで転職や退職をしている人が多いと感じています。
結婚や家族の事情だけでなく、「もっといろいろな現場を経験してみたい」と転職する看護師が増えてくるタイミングであることも要因といえます。
入職から長く一緒に頑張って厳しい中も乗り越えてきた同期がやめてしまうということは、寂しいだけでなく、これまで頼りにしていた支えがなくなるようなもので、とても不安になります。
辞める同期にとっては人生のステップを進める喜ばしいことである場合も多く、悲しいばかりのことではありません。
ですが、何かあればすぐに愚痴を聞いてもらったり相談に乗ってもらっていた同期がいなくなることに初めは戸惑いました。
ただ、中堅看護師となれば、同期が辞めてしまうということは乗り越えていくイベントであり、同期以外とも関係性ができていることも多いため徐々に適応していきます。
また、辞めてしまった同期とは友達としてその後も会ったり、職場の愚痴を聞いてもらったりすることもあります。
特に、その職場のスタッフではないけれど、職場の事情を分かってくれているという存在は、以前よりも話せることが増えたようにも感じます。
「中堅看護師あるある」の悩みは多いですが、同期が辞めてしまうことは特に多いと思います。
入職時の同期は特に、
退職後も関係が続く貴重な存在になっている人が多いです。
まとめ 看護師あるある!【中堅編】
1 | 給料と労働が見合ってないと感じる |
2 | 上司と後輩との板挟み |
3 | 紙カルテから電子カルテへの変更に戸惑う |
4 | 最新の医療用語への戸惑い |
5 | 新人看護師を指導する立場になり、自分の負担が増加 |
6 | 新人を指導するにあたり、周囲からの評価が気になりはじめた |
7 | 新人のミスの対処に、残業や疲れ、ストレスがたまる |
8 | 新人のミスで自分を責めたい気持ちになる |
9 | 結婚、妊娠、出産を機に看護師退職する |
10 | 毎日の勤務で、自分の体調管理ができない |
11 | 配偶者の転勤で退職を決めた |
12 | 休暇が思うように取れず、家族との時間が持てない |
13 | 自分の代わりがいなくて、急には休みにくくなった |
14 | 同期が辞めていってしまう |
この記事では「中堅看護師あるある」をもとに、中堅看護師が抱えやすい悩みを紹介しました。
これを読んで、悩んでいるのは自分だけでないと、一人でも多くの中堅看護師に共感してもらえれば、と思います。
責任感が強く多くの仕事を任される中堅看護師だからこそ、自分の身体や心を労われる働き方をしていきましょう。