「看護師を目指してるけど、職場って実際にはどんな感じなんだろう」「新人看護師でも仕事にちゃんとついていけるのかな」こんな疑問を持ったことがありませんか?
どんな仕事でも同じですが、実際に働いてみないと職場の雰囲気や仕事の仕方は分かりません。
この記事では、現役看護師として働く私が、新人看護師のころにだれもが経験するリアルな看護師あるあるを紹介していきます。
新人看護師がどんな気持ちでどのように働いているのか、イメージできる内容となっています。
看護師あるある【新人編】の内容は下記です。
看護師あるある | 解決策 |
①先輩の指示が聞き取れない |
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②患者さんの名前や病状を覚えられない |
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③基本的な技術に時間がかかる |
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④人間関係に悩む |
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⑤夜勤が辛い |
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⑥ミスをしてしまう |
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⑦辞めたいと思うことがある |
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看護師あるある①先輩の指示が聞き取れない
新人のうちから、先輩の指示を理解することは難しいです。
医療用語や職場でよく使われる略語を理解できていないことや、単に先輩の指示が早口という理由があります。新人相手であろうと、先輩や医師も医療用語や略語をバンバン使ってきます。
入職したばかりのころは覚えることが多くありますが、スムーズなコミュニケーションを取るために、医療用語や職場でよく使われる略語を少しずつでも覚えていきましょう。
また、多忙な医療現場では、看護師はつい早口で話してしまいがちです。私の経験では、早口で聞き取れないという問題は、徐々に慣れて解決していきます。
どんな指示を出されるか、ある程度予測をしながら聞けるようになると聞き取りやすくなります。
また、その先輩特有の話し方の癖なども分かってくることで、スムーズにコミュニケーションがとれるようになることもあります。
それでも、「どうしても聞き取れなかった」「意味が分からなかった」という場合もあります。
対応としては、基本的には分かるまで聞き返すことです。聞き返す際には、言い方に気を付けなければいけません。
「言っている意味が分かりません。」「どういう意味ですか?」など、ストレートに聞くことは悪いわけではありませんが、相手の捉え方によっては不快な思いをさせてしまいます。
円滑なコミュニケーションや人間関係のためには、このような聞き方は避けた方が無難です。
「○○ということですか?」「○○をする、ということで合っていますか?」など、自分が理解したことや予想できることを伝えながら、聞き返したほうが、相手の先輩にも不快な思いをさせませんし、先輩からしてももう一度すべて説明し直す手間も省けます。
ただ、物理的な距離の理由や声の大きさで「何を言っているのかまったく聞き取れなかった」ということも、よくあります。
その場合は素直に、「すみません、聞こえませんでした。もう一度お願いします。」と、聞き返しましょう。
私も実際に全く聞き取れなかった時は、相手に不快感をあたえないよう、申し訳なさそうに聞き返すようにしています。

職場に慣れてきたり、先輩と関係性ができてきたりすると、コミュニケーションもスムーズになってくるため、指示が聞き取れないというあるあるは解消されていきます。
看護師あるある②患者さんの名前や病状を覚えられない
新人看護師が、患者さんの名前と病状を覚えられるようになるには時間がかかります。
看護学校では生の患者さんと関わることはなく、看護実習では1人の患者さんを受け持つだけであるため、実際に現場に出て何人もの患者さんを同時に受け持つことは大きなギャップです。
私も新人のころは、名前と顔を一致させることで精一杯で、メモやカルテをみながら病状を把握していました。
長期入院の患者さんであれば徐々に覚えていきますが、入院期間が短く患者さんの出入りの激しい病棟では、名前と顔さえも一致しないうちに退院していくことも多いです。
その日の受け持ち患者さんに、廊下ですれ違っても、名前がすぐ出てこないなんてことは、現役看護師のあるあるでもあります。
覚えていく努力はしつつ、看護や治療をする際に患者さんを間違えないようにすることが重要です。
医療現場ではダブルチェックや指さし確認、患者さんに名前を名乗ってもらうなどの方法で、患者間違いが起こらないようにルールが決められています。
患者さんの名前や病状は受け持っているうちに覚えていきますが、私は患者さんのお部屋に入る前に、メモで患者さんの名前や病状、その他の情報を頭に入れ直すようにしています。
また患者さんと話すときには、病状のことばかりでなく、少しの世間話もくわえながら、その人の印象を持つように心がけています。
看護師の私が言っていいことではないかもしれませんが、私は患者さんの名前や病状を覚えることは得意ではありません。
自分の不得意を受け入れて、ミスのないように日々仕事をするようにしています。

看護師の私が言っていいことではないかもしれませんが、私は患者さんの名前や病状を覚えることは得意ではありません。
自分の不得意を受け入れて、ミスのないように日々仕事をするようにしています。
看護師あるある③基本的な技術に時間がかかる
新人看護師は基本的な技術に時間がかかることがよくあります。
技術を覚えたての新人看護師は、緊張感や焦りなどで、スムーズに処置ができないことが多いためです。
慣れてきた看護師以上に、一つ一つ念入りに確認していたり、考えながら処置をするため、しかたないことでもあります。
また、準備物品を忘れて、いろんな場所を行ったり来たりすることも珍しくありません。
新人看護師が、技術に時間がかかっている間、ナースステーションでは先輩看護師たちが、「○○さんどこ行ったんだろう、帰ってこないね」と心配して話していることもあるあるです。
私自身も、もともと心配症で、頭の中で色々考えてしまうタイプなので、新人のころは特に、慣れていない技術を実践するのに、必要以上に時間がかかっていました。
ちなみに今も、基本的な技術ではないものの、慣れない処置に入る時には、念入りに確認しながら行うため、必要以上に時間がかかってしまっているなぁと反省することもあります。
しかし、慣れていくためには必要なステップだと考え、次に実施する際にはもっとスムーズにできるようにしようと心がけています。

新人看護師がなにか技術の実施や処置に入る時には、先輩看護師に「今から○○の処置に行ってきます」と一言伝えておくと周りも安心でしょう。
看護師あるある④人間関係に悩む
人間関係の悩みは付きものですよね。
看護師の職場に限らず、新しい環境で仕事を始めた時は、同じ職場で働く人がどんな人たちなのか分からないため、人間関係に苦労します。
人間関係の悩みの解決策となるのは、気軽に話せる同期や同僚の存在です。
同じ職場で働いている人であれば、同じような人間関係の悩みを抱えていたり、共感してもらえたりします。
悩みをだれにも言えず1人で抱え込むことはとてもつらいことであり、だれかに話せるだけでだいぶ気が楽になります。
私が新人の時は同期が2人おり、その同期がいたから看護師を続けられたといっても過言ではありません。
よく3人で「同期会」を開催し、悩んだことや困ったことを話していました。
怖い先輩の話や、理不尽な先輩の愚痴でもよく盛り上がり、悩みが笑い話になっていたこともあります。
そして、新人のころに悩んでいた人との関係も、1年たったころには楽しく話したり、気軽に質問できたりするような関係になっていきました。
看護師はいのちに関わる仕事という職業上、どうしてもさばさばした性格の人が多いと感じます。
ただ、患者さんに看護を提供しているような、根はやさしいという人が多いです。
新人として先輩などに関わるうちは、きつい人だと感じてしまいやすいですが、職場に慣れて自分に余裕が出てくるようになると、やさしい面も見えてきて関わりやすくなります。
人間関係の悩みはだれもが経験することですので、1人で抱え込まないようにしましょう。
そして、それでも上手くコミュニケーションが取れない人がいる時は、師長や主任など上の人に相談することも大切です。

悩みは一人で抱えすぎないようにすることが大切です。
看護師あるある⑤夜勤が辛い
夜勤は心身ともに負担が大きいです。新人に限らず、慣れた看護師でも「夜勤が辛い」という声はよく聞きます。
本来であれば寝ている時間に起きていること自体、身体はつらいですし、さらには医療現場という緊張感のある職場で過ごすことは、メンタル的な負担も大きいです。
夜勤には仮眠時間もありますが、必ず仮眠がとれるとは限りません。
特に急性期系の病院では、夜間でも入院がくる、患者さんの状態が悪くなるなどイレギュラーなことがあると、仮眠時間返上で働くこともあります。
私が働く病棟も、夜間入院や急変対応などで、仮眠時間はバラバラです。稀なことですが、食事時間さえも確保できないほど忙しい日もあります。
忙しい夜勤は言うまでもありませんが、落ち着いた夜勤であっても、新人にとってはつらいものです。
仮眠時間があっても、慣れないうちは緊張しっぱなしで寝られない場合もあります。私も初めは、仮眠時間もそわそわしてしまい、寝られないことが多かったです。夜勤は、夜勤入りの日と明けの日の過ごし方が重要です。
人によって過ごし方は違いますが、夜勤を何度も経験することで自分に合った過ごし方が分かってきます。
慣れてくると、明けの日は帰ってそのまま遊びに行くというパワフルな人もいます。ですので、慣れないうちは入りの日はしっかり寝ておくことをおすすめします。
また、夜勤は日勤よりも落ち着いていることが多いので、普段ゆっくり話せない先輩と世間話などができて、関係性を深められるチャンスになります。

辛い夜勤ですが、慣れるまでは無理せず乗り切りましょう。
看護師あるある⑥ミスをしてしまう
ミスをしてしまうことは誰にでもありますが、新人看護師は特に多くなってしまいます。それは仕事に慣れていなかったり、まだ十分に仕事を覚えられていなかったりするため、普通のことです。
できるだけミスをしないようにすることはもちろん大切です。場合によっては患者さんに負担や迷惑をかけてしまうこともあるためです。
ただどうしても間違えてしまう時もあり、その時はできるだけ小さい間違いのうちに気付いて、報告するようにしましょう。
自信がないのに処置をし続けて、大きなトラブルになってから発覚したのでは誰にも得はありません。
独り立ちして間もないころやまだ自信が持てないうちは、何気なく業務をするのではなく、一つ一つの行動に意味を考えながら仕事をするといいでしょう。
私も新人のころは何か処置をする際などに、「このやり方で合ってるのかな」「うまく出来なかったらどうしよう」という気持ちがありました。
今でも慣れない業務には、そんな気持ちが伴うことがあります。私の対策としては、自信のない時は、まずは院内のマニュアルを見て手順を確認します。大抵の病院には業務手順のマニュアルがあります。
マニュアルがなかったり、見ても分からなかったりした時は他のメンバーに聞いて、疑問点を解消します。

ミスを最小限にするために、不安な点をしっかり確認した上で業務に当たるようにしてみてください。
看護師あるある⑦辞めたいと思うことがある
仕事を辞めたいと思うことは、経験を積んだ看護師でもよくありますが、新人看護師であれば、そう思う頻度は多いでしょう。
学生から看護師になったタイミングは、「思ったように上手く働けない」「失敗ばかりしてしまう」という気持ちが生じやすく、理想と現実のギャップに苦しむ新人看護師も多いです。
悩み始めてしまうと、「自分には看護師は向いてないのかな」という気持ちになり、辞めたいと思うことにつながります。私自身もそんな経験があります。
看護学校で学んだことが現場で活かせなかったり、自分の勉強不足を感じたりして、国家試験合格まで頑張ってきたことはなんだったんだろうと思い、辞めたいと思っている時期もありました。
大切なのは、辞めたいと思った時にどう乗り越えるかということだと考えています。
分からなかった、出来なかったことを必死に勉強すれば、知識や技術が身に付き、自信になります。
同期と話すことでストレス解消になり、仲も深まり、同期と一緒に頑張っていくことにもつながります。

辞めたいと思うことは悪いことではなく、むしろ普通のこと。
そう思う自分を悪いと思わないよう、乗り越えていく力を身に付けてほしいと思います。
看護師あるあるのまとめ
この記事では「新人看護師のあるある」を紹介しながら、新人看護師がどのように働いているのかをお伝えしました。
新人看護師のリアルな現場が伝わったのではないでしょうか。
看護師は、新人のころは誰しもがいろいろな悩みを抱えながら、それを乗り越えて成長していきます。
悩んでいるのはあなただけではないことを知って、少しでも安心してもらえれば嬉しいです。
一つずつ悩みを乗り越えて、素敵な看護師を目指していきましょう。