「助産師という職業に興味があるけど、自分に合っているのかな」
「助産師ってどんな人なんだろう」
将来の夢として助産師という職業が選択肢になったとき、こんな疑問が出てきます。
看護師はイメージがつきやすいですが、助産師となるとどんな人なのかイメージしにくいです。
この記事では、現役助産師として働く私が、助産師に向いている人にはどんな特徴があるのか解説していきます。
①人のお世話をするのが好きな人
助産師は、人のお世話をするのが好きな人に向いています。
助産師に限らず、看護職は患者さんの身の回りのお世話をすることが多い仕事であるためです。
助産師をはじめ看護職は、患者さんの状態がより良くなるように、どのようなケアを行えばいいのかを常に考えます。
人のお世話が好きでないと続けられない仕事であり、逆に言えば、人のお世話が好きでない助産師はいないでしょう。
助産師や看護師を目指そうとする人は「人の役に立てる仕事がしたい」「困っている人のお世話がしたい」という気持ちがきっかけとなることが多いです。
私は将来の夢を考え始めたとき、「何か人の役に立てる仕事がしたいな」という思いがあり、看護師を目指し助産師という職業にたどり着きました。
助産師や看護師は「きつい」「大変」とイメージを持たれる職業ですが、人のお世話をするのが好きという思いが根底にあるからこそ、続けられる職業です。
相手が喜んでくれたり、役に立てたりすることで、大変な仕事でも頑張れます。
②心身ともに妊婦さんに寄り添える人
助産師の特徴として、心身ともに妊婦さんに寄り添えるということが挙げられます。
妊婦さんは新たな命の誕生を楽しみに過ごしますが、その反面、ブルーな気持ちになりやすかったり、妊娠による身体の不調で苦しんだりすることも多いです。
妊婦さんの心や身体の不調は、その人自身にしか分からないものではありますが、助産師はそんな妊婦さんに寄り添える存在でなければなりません。
学んできた知識をもとに、その方がどんな状況に置かれていてどんなことに苦痛を感じているのかを想像して、かかわっていきます。
イメージしやすい状況は、陣痛が来ている方への対応です。
痛みの感じ方は人それぞれであり、助産師から見れば「まだ痛みは強くないだろう」と思っても、非常に痛がり苦しんでいる方もいます。
そんな産婦さんが、痛みを乗り越えられるよう寄り添ったかかわりが必要です。
陣痛以外でも、つわりが重症になって入院される方や安静が必要となり入院される方などは、体調面ももちろんですが、長期の入院によるストレスも大きくなります。
さまざまな状況に置かれている妊婦さんに対し、「寄り添おう」と思う気持ちが大切です。
痛みや辛さを理解しきることは難しくても、「寄り添おう」と思う気持ちが大切です。
③コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人は助産師に向いています。
助産師は、人対人の仕事だからです。
コミュニケーションをとる場は多く、入院中の方はもちろん、妊婦検診に通う方へ外来でお話しすることがあれば、両親学級や性教育など集団指導の場で話すこともあります。
妊産婦さんや産後の方と話す場合、当然ですがいろんな性格の方がおり、自分からたくさん話す人もいれば、口数が少ない人もいます。
そんな人たちから、必要な情報を決められた時間の中で聞き取っていかなければなりません。
しかも、そのように話を聞くのは初対面であることが多いです。
口数の少ない方から、情報を聞き出すのは助産師のコミュニケーション能力が試されます。
また、チームで働くことが多く、スタッフ同士でのコミュニケーションも重要です。
医療機関で出産にかかわる助産師は、周りと連携を取りながら仕事をします。
一緒に働く助産師や看護師だけでなく、医師ともコミュニケーションをとり、出産が安全にスムーズに進むように心がけます。
妊産婦さんに対しても、医療従事者に対しても積極的にコミュニケーションをとっていく必要があります。
④チームで協調して頑張れる人
チームで協調して頑張れることは、助産師に必要な能力です。
医療機関で働く助産師は特に、チームで連携しながら働くことを求められるためです。
一人ひとりのスキルがあることはもちろん必要ですが、それと同じくらい協調性も大切です。
単独プレイでは、産婦人科病棟での助産師の業務は難しいです。
産婦人科病棟では、出産する妊婦さんだけでなく、出産後の方や新生児、さらには婦人科の手術などで入院されている方もいます。
そんな病棟の業務を安全にスムーズに行うには、チームでの協力が不可欠です。
助産師は分娩の対応をしながら、産後の方のケアも行うことも求められます。
特に、スタッフの人数が限られる夜勤業務などでは、一人のスタッフがさまざまな業務をこなす必要があります。
私自身も病棟では、お産だけでなく他の業務も同時に行いますが、お産が進んでいるときはその対応が最優先となり、他の業務を周りのスタッフに依頼しなければなりません。
ただ、周りのスタッフも同じようにさまざまな業務をうけ負っているため、急に仕事を頼んでも対応してもらうことが難しいです。
業務をこなしながらチームとして情報共有をこまめに行っておくことで、お産への対応に入り込む際に、周りのスタッフもスムーズに業務を受けてくれます。
情報共有をして、お産が進んでいることも周知できていれば、お産で何か緊急事態が発生した時もすぐにフォローをしてもらえます。
このようにチームで協調して頑張れる人が、助産師に向いているといえます。
仕事はチームでこなす意識が大切です。
⑤いざというときに決断できる人
いざというときに決断できる人は、助産師に向いています。
助産師は医療従事者であり、命の誕生の場で働く職業であるためです。
命の誕生とは、感動的な喜ばしい場面ではありますが、同時に命に関わる危険性と隣り合わせです。
時には、瞬時に判断が求められることもあり、いざという時の決断力は非常に重要です。
助産師は看護師と同じ看護職という業種ですが、助産師は診断ができるという点が、看護師とは違います。
診断とは基本的に医師が行うもので、それに沿って看護師は患者さんにケアを行います。
助産師は、助産診断という形で、異常のない正常なお産に対しては、自ら診断を行い、医師の指示なくケアが行えます。
助産師が医師の指示なく自立して産婦さんに関われる半面、「異常な経過になっていないか」「医師に報告する必要がないか」を自身で判断する必要があります。
私自身は、病院で働く助産師であるため、適宜医師とコミュニケーションをとりながら、お産に携わるため、何かあればすぐに医師の指示を確認できる環境で安心して働けています。
しかし、助産院などの医師がいない施設で働く助産師には特に決断力が求められます。
もちろん、連携している医師や病院がありますが、何かあったときにすぐに処置ができるわけではないため、正常から逸脱してきた早めの段階で医師へ連絡する必要があり、その判断が難しく、経験や知識が必要となります。
助産師は、自ら診断を行いながら産婦さんに関われるというやりがいのある職業ですが、いざというときの決断力が求められます。
助産師は自立してケアができるからこそ、いざという時に決断する力が求めれます。
⑥気持ちの切り替えが上手な人
気持ちの切り替えが上手な人は助産師に向いているといえます。
助産師の仕事は、命の誕生という喜ばしいシーンばかりではなく、流産や死産、人工妊娠中絶などにもかかわるためです。
産婦人科に来られる方にはさまざまな背景があります。
そのため、その人に合わせた寄り添い方が必要です。
病院で働いていると、お産を受け持ちながら、死産や人工妊娠中絶の方を同時に受け持つことも珍しくありません。
その場合、うまく気持ちを切り替えて、かかわらなければいけません。
死産などで大きなストレスに晒されている人と、赤ちゃんが生まれた人への接し方を変えることは当然です。
しかし、感情を抑えて冷静に関わればいいかといえばそうではありません。
さまざまな状況に置かれている人に対し、その人にあった気持ちの寄り添いを意識することで、少しでも安心してもらえたり、気持ちが軽くなったりすることもあります。
助産師は、喜怒哀楽を持ちつつ、その切り替えを上手く行いながら、働くことが求められます。
相手の置かれている状況を把握して、その人に合ったかかわりができるように気持ちの切り替えが大切です。
⑦責任感や倫理観を持ち合わせた人
助産師には、責任感や倫理観を持ち合わせた人が向いています。
命にかかわる現場で働く以上、責任感が大切であることは、誰もがイメージすることでしょう。
責任感と同時に必要となるのが倫理観です。
医療現場において、倫理的な問題に直面することは多いです。
特に産婦人科は、お母さんと赤ちゃんの命にかかわる場であり、倫理的な考えやかかわり方が求められます。
助産師は、自身の行動や発言に責任を持ちながら、そこに倫理的配慮を合わせなければいけません。
倫理的な問題には正解がなく、よりよい選択を考える必要があります。
そのため、自身の倫理観を磨いておかなければ、助産師自身は正しいと思ったことが、相手にとっては納得のできないことであったということも起こり得ます。
倫理観を高めて視野を広げておくことで、問題が発生した際に、よりベターな選択ができるようになっていきます。
ただ、医療機関には倫理委員会という組織があるほど、倫理的な問題は奥が深く、いくら個人が倫理観を磨き上げたとしても、一人の判断で何かの問題に取り組むことは避けるべきです。
倫理的な問題は、職場のスタッフやチームで共有しながら、さまざまな人の考え方を考慮した対策が重要です。
責任感、倫理観を持ち合わせた人は助産師に向いていますが、さらに、自身の価値観を信じ切らず、チームで一緒に問題解決できることが助産師として大切です。
責任感とともに、倫理観を磨いていくことを大切にしていきましょう。
⑧ハードな勤務に耐えられる体力がある人
ハードな勤務に耐えられる体力があることは助産師に必要です。
産婦人科の夜勤は忙しさに差があり、休息が取れないことも多いためです。
特に分娩にかかわる助産師は、急な入院や分娩などイレギュラーな状況への対応が必要であり、仮眠が取れない夜勤も珍しくありません。
2交代制の職場であれば、夜勤は12~16時間であることが多く、特に体力が必要となります。
ただ、私自身はもともと体力に自信があったわけではなく、学生のころは「夜勤なんてほんとにできるのかな」「夜間も働くなんて体力もつのかな」という気持ちもありました。
実際に働き始めると、初めは夜勤もある生活に慣れず、夜勤前後はずっと寝てひたすらだらだらして過ごしていました。
しかし、徐々に生活リズムも整えられるようになって、仮眠の取れないハードな夜勤でもこなせるようになっています。
ハードな勤務に耐えられる体力がある人は助産師に向いているといえますが、慣れていくことでこなせるようになることもあり、適応力があることも重要といえます。
体力仕事ですが、慣れていくことでカバーできることも多いです。
⑨赤ちゃんや出産に関心がある人
赤ちゃんや出産に関心がある人は助産師に向いています。
助産師は命の誕生にかかわる職業であり、赤ちゃんが好きであることや、命の誕生を喜ぶことのできる感性が大切であるためです。
命を尊いものだと捉え、出産にかかわることができることは助産師として必須です。
「出産よりも赤ちゃんのことに関心が強い」という人でも助産師に向いているといえます。
助産師の働く場には、NICUなど新生児へのケアを行う場もあるためです。
助産師は出産だけでなく、その後の母子へのケアも重要な仕事です。
新生児へのケアには、同時にその児の母へのケアが求められます。
助産師としてのスキルは新生児看護も含まれており、赤ちゃんへの関心があることも大切であるといえます。
私は、NICUも併設された産婦人科病棟で勤務した経験があり、分娩担当の日もあれば新生児担当の日もあるような職場でした。
出産への関心と新生児への関心も合わせて生かせる職場であったと思っています。
出産への関心については、助産師として命の尊さを伝える性教育の場もあります。
このように、赤ちゃんや出産に関心を持っている人は助産師としての適性があるといえます。
赤ちゃんや出産に関心があるということは、助産師を目指す根本になります。
⑩危機的な状況でも冷静に仕事ができる人
危機的な状況でも冷静に仕事ができる人は、助産師に向いています。
出産は感動的な場面でありますが、同時に母子の命にかかわる危険を伴う場でもあります。
助産師として、母子の安全を守りながら出産にかかわっていくことはもちろんですが、防ぎきれないような予期せぬ状況に遭遇する可能性も十分に考えられます。
危機的な状況になった場合も助産師は冷静さを失わず仕事をしなければなりません。
助産師や医療従事者の焦りは、その場にいる産婦さんやその家族に伝わります。
助産師の焦りが、産婦さんや家族の不安をあおることのないように、助産師は冷静さを忘れないようにしなければなりません。
しかし、危機的な状況でも冷静にいることは難しいといえます。
助産師に限らず、予期せぬ状況に遭遇すれば、焦ったりパニックになったりする人が多いことは当然です。
危機的な状況でも冷静でいるためには、経験や知識が重要になります。
リスクを想定し、その時にどのような行動や対応をすべきなのかを理解している助産師は、どんな場面でも冷静に対応することができます。
危機的な状況を経験することは少ないため、経験がないという助産師もいますが、分娩を取り扱う施設では、危機的状況に対してシュミレーションで対応方法の訓練をしていることが多いです。
また、そのような訓練がない場合は、院外の勉強会などへ参加し対応力を身に付けるようにしていきます。
どんな状況でも自信を持って対応できるスキルがあることで、危機的な状況でも冷静に仕事ができるようになります。
異常が起こった場合に、自分がどう動くかを日ごろからイメージしておくようにすることで、いざという時にも冷静に対応できるようになります。
⑪悲しいことを引きずらない人
悲しいことを引きずらない人は助産師に向いています。
助産師の仕事は、命の誕生のような喜ばしいことばかりではなく、悲しい状況に遭遇することもあるためです。
助産師としての仕事の中で悲しい状況に当たってしまうと、精神的なダメージを大きく受けてしまう助産師もいます。
助産師として、感情が豊かなことも大切であり、悲しいことを悲しいと思えることは悪いことではありません。
しかし、悲しい気持ちをいつまでも引きずってしまうと、通常の分娩対応や業務に支障が出たり、助産師としての自信をなくしてしまったりする人もいます。
悲しい状況を受け入れつつ、前向きに気持ちを切り替えることが助産師には求められます。
自分のミスや判断により、そのような状況を作り出してしまったのであれば、落ち込むばかりでなく、なぜそうなってしまったのかを振り返り、反省点を明確にして次に生かしていかなければなりません。
悲しい経験は、助産師としてのスキルアップにつながります。
誰のせいでもないような悲しい出来事に遭遇した場合も、その経験が今後の仕事に活きることもあります。
助産師として働く中で、さまざまな悲しいことは起こる可能性がありますが、それを引きずらず、今後に活かしていくという気持ちを持てることは、助産師の強みとなります。
悲しいことを引きずらないようにすることが、助産師自身のメンタルヘルスにとって重要です。
⑫自分一人で仕事をしようとしない人
自分一人で仕事をしようとしない人は助産師に向いています。
助産師の仕事は、周りのメンバーと協力して行う必要があります。
自分一人で仕事をしようとすることは危険なことです。
一人の分娩担当スタッフが複数のお産を同時にみることはありますが、周りのスタッフとも分娩の進行状況の共有をしておくことは必須です。
「この産婦さんはまだ生まれるまでに時間がかかりそうだ」と、判断をしたとしても、お産は予想外に急に進むこともあります。
その際に、分娩担当の助産師が他の出産に入り込んでしまっていると、他のスタッフに対応してもらう必要があります。
ベテランの助産師であっても、一人での仕事は危険です。
「自分はどんな仕事でも一人でできる」と自信を持っている人は、助産師には向いていません。
私も分娩担当のときは、いざとなったら周りに助けてもらえるよう情報共有をすることを心がけています。
また、分娩担当以外の業務のときも、出産が重なったときに分娩担当者のサポートができるよう自分から出産の進行状況を聞くように意識しています。
助産師として、自分一人で仕事をしようとしないことは大切であるといえます。
助産師はチームで働く職業であり、他のスタッフに頼りながら働くことが大切です。
⑬気が長く、相手を待てる心の余裕がある人
気が長く、相手を待てる心の余裕がある人は助産師に向いています。
特に出産にかかわる際に、産婦さんは痛みでスムーズに動けなかったり、精神的な負担から会話もスムーズにできなかったりすることもあります。
そのような産婦さんに対して、気を長くしてリアクションを待つことが大切です。
陣痛の痛みの感じ方は人それぞれで、その人自身にしか分かりません。
助産師からすれば、まだ痛みは弱い時期だと思っても、産婦さん本人にとっては限界だと思うような激痛であることもあります。
そのような強い痛みを感じている方は、ただベッドに横になるだけでも痛くて動けなかったり動きがゆっくりであったりします。
また、出産が長引いて精神的負担が大きくなっている方は、どうしようもないと分かっていても泣いてしまったり、自分の感情をうまく表現できなくなったりすることもあります。
助産師は、焦らせることのないように気長に、その方の言葉を待たなければいけません。
焦らせてしまうと、産婦さんがうまく感情の表出ができず、よりストレスがかかっていきます。
助産師が働く現場は、時間に追われ、てきぱきと仕事をこなすことを求められることが多いですが、産婦さんとかかわる際には、あわただしさが伝わらないよう、心の余裕をもって接することが必要です。
実際に働いていると、心に余裕がなくなることもありますが、産婦さんや患者さんの前に行くときは、一呼吸おいて気持ちを切り替えていくとよいでしょう。
忙しい業務の中でも妊産婦さんに対しては、心に余裕をもってかかわるようにしましょう。
⑭些細な不安や疑問にも対応できる人
些細な不安や疑問にも対応できる人は助産師に向いています。
助産師がかかわることの多い妊産婦さんは、些細な不安や疑問が多いです。
特に初めての出産の方や初めて赤ちゃんにかかわる方は、分からないことばかりであるため、当然のことです。
妊婦検診や産後の入院中、助産師はそのようなさまざまな不安や疑問をぶつけられます。
妊産婦さんにとって新しい命を育てるという環境では、多くの不安や疑問が生じ、それは簡単に解決できるものばかりではありません。
そのため、何度も同じ質問をされたり、不安を表出したりする人が出てきます。
助産師はその一つ一つに対応していくことが求められます。
同じ質問をされても毎回丁寧に答えていくことで、安心してもらうことにつながります。
助産師にとっては些細な不安や疑問でも、その人にとっては大きなストレスになっています。
実際に働いていても、些細な質問は多く、私たち助産師にとってはなんともないことでも、質問に答えて「心配しなくて大丈夫」と伝えてあげるだけで、ほっとした表情になる方をよく見かけました。
ホルモンバランスの面でも精神的に不安定になりやすい妊産婦さんには、一つ一つの不安や疑問に助産師が丁寧に対応していくことが、大きな安心材料になるといえます。
少しでも安心して過ごしてもらえるように、不安や疑問を些細なものととらえず、繰り返し丁寧に対応していきましょう。
⑮人前で話すことができる人
人前で話すことができる人は助産師に向いています。
助産師は、出産の介助をするだけでなく、妊娠中の準備のための両親学級や産後の育児サークル、教育機関での性教育など集団教育をする仕事もあります。
助産師の専門的な知識を生かして、対象の方々に分かりやすく伝わるように話すことが大切であり、人前で話すことに抵抗がないことは前提だといえます。
私が現場で働く中でも、助産師は人前で話したり、複数人に対して何かを伝えたりすることが好きな人が多いなと感じています。
助産師の知識は、産後のお母さんなど多くの方に役に立てるものであるため、助産師であることに自信を持っており、役に立ちたいという気持ちが強い人が多いのでしょう。
私ももともと、人前で発表したり話したりすることは好きなほうでした。
ただし、自信をもって話せることや楽しく取り組めることについてが話の題材である時だけです。
英語や理科の授業の発表などはその教科が不得意だったこともあり、苦手でした。
これは誰にでも当てはまることであると思います。
自分の興味のあることや好きなことは、自信をもって人前でも話せるし、むしろ話すことや伝えることが楽しいと思うのではないでしょうか。
そのため、助産師を目指そうと思った方が、「人前で話すのは苦手だな」と思っても、助産師の仕事に興味があるのならば問題ないといえます。
まずは、助産の分野が「好き」という気持ちを土台にしていけば、人前で話すこともできるようになります。
人前で話すことができることは大切ですが、苦手であっても助産に対する興味や好きという気持ちがあればカバーできます。
まとめ
この記事では助産師に向いている人について解説しました。
①人のお世話をするのが好きな人 | 相手の役に立てるケアがしたいと思えることが大切 |
②心身共に妊婦さんに寄り添える人 | 妊婦さんが置かれている状況を想像して寄り添う |
③コミュニケーション能力が高い人 | さまざまな情報を聞き取る必要性や、スタッフ同士のコミュニケーションも重要 |
④チームで協調して頑張れる人 | 助産師はチームで働く仕事である |
⑤いざというときに決断できる人 | 自ら診断ができる助産師は、決断できる力が必須 |
⑥気持ちの切り替えが上手な人 |
喜怒哀楽を持ちつつ、気持ちを切り替えてケアをしていく |
⑦責任感や倫理感を持ち合わせた人 | 倫理観を磨き上げながら、責任を持った仕事をする |
⑧ハードな勤務に耐えられる体力がある人 | 産科の夜勤はイレギュラーが多くハードであるが、慣れていくこともできる |
⑨赤ちゃんや出産に関心がある人 | 助産師としての大前提である |
⑩危機的な状況でも冷静に仕事ができる人 | 危機的状況へのシュミレーションで、冷静に対応できるようになる |
⑪悲しいことを引きずらない人 | 助産師自身のメンタルヘルスのためにも重要 |
⑫自分一人で仕事をしようとしない人 | 一人で仕事ができるという気持ちは危険 |
⑬気が長く、相手を待てる心の余裕がある人 | 忙しい中でも妊産婦さんには心の余裕をもって接する |
⑭些細な不安や疑問にも対応できる人 | 助産師が一つ一つ丁寧に対応することが、妊産婦さんの安心につながる |
⑮人前で話すことができる人 | 「助産分野が好き」という気持ちが大事 |
自分の性格を生かして、楽しく働ける職業を選択することは重要です。
助産師という職業が向いていそうだと思った方はぜひ、助産師への道も選択肢にしてみてください。