働きたい科のランキング上位に小児科が入るって知ってましたか?私は小640064児科と成人の混合病棟で10年間働きましたが、そんなこととはさっぱり知りませんでした!
配属先希望のランキングでは常に上位に小児科が入っているようです。では小児科が人気の理由とはどこにあるのでしょうか?
小児科が人気の理由、詳しくみていきましょう!
小児科人気の理由①子どもが好き
「子どもが好きだから!」というのがまず1つにあげられます。
「子どもが好きじゃない!」と言っていた私の同期はいつも「小児科だけは絶対に無理!」だと言っていたのを覚えています。
子育て経験のある看護師さんも子育ての経験を活かせる小児科を希望し、小児科に復帰される方がいますよ。
私自身は子どもがすごく好き、というわけではなかったですが小児科で働くうちに「子どもって可愛いな」と思うようになりました。
私の同期のように「子どもが好きじゃない!」という人でなければ私のように働いているうちに「可愛い!」と思えるようになるかもしれませんね!
小児科人気の理由②小児科でのやりがい
子どもたちは大人と比べて回復力があります。そのため治療の成果もでやすいです。
もちろん回復の見込みが厳しい病気もあります。
しかし、そうでない季節性の感染症などであれば重症化していたとしても治療を開始するとみるみるうちに良くなるということは多々ありました。
子どもは重症化するのもあっという間ですが、回復するときもあっという間なんです。
こういうのを目の当たりにすると「ほんとに子どもの持つ力ってすごい!」と私も小児科で働きながらいつも感じていました。
大人、特に高齢者ではなかなかこういうことはないかなと思います。
目に見えて回復する姿をみられるのは小児科ならではだなと思います!
小児科人気の理由③スキルアップのため
小児科は大人とちがって科の区別がないため様々な疾患の子どもたちをみることになります。
そのため覚えることが多く、日々の学習が欠かせません。学習は大変ですが、小児科で働くうちに私も幅広い知識が身につきました。
疾患や看護に関する知識もたくさん習得できます。でも、実はスキルアップできるのは学習面だけではないです。
なんと、コミュニケーションのスキルもアップできるんです。
なぜなら対象である子どもの年齢は新生児から15歳くらいまでと幅広く、コミュニケーションの方法も患児の年齢や理解力に合わせることが必要だからです。
病院といういつもと異なる環境に来ると子どもたちは緊張しやすいです。見知らぬ環境や大人たちに対して恐怖感を持つ子もいます。
そのため診察時や何かを行う前には1つずつ丁寧にその子がわかるような言葉や絵などを用いて説明することが大切です。
コミュニケーションといえば言語的なコミュニケーションをイメージしがちかもしれません。ですが、小児科では非言語的なコミュニケーションもとても重要です。
不愛想な態度は子どもに恐怖心を与えます。明るく和やかな雰囲気や優しい言葉がけは安心感を与えます。
また、子どもは言語能力が未熟です。新生児や乳児であれば「しんどい」「いたい」などの言葉を発することはありませんが、顔色や機嫌、表情などで訴えています。
そして、言葉を話せる年齢であったとしても子どもはうまく自分の症状を説明できないことはよくあります。
例えば、「痛い」と言うことはできても「いつから」「どこが」など詳しく説明することはなかなか難しいことがあります。
そのため子どもの小さな変化や子どもの訴えからいま何が起こっているのか気づくための観察力や察知する力も大切ですね。
また看護の対象は子どもだけではありません。子どもの保護者も看護の対象となります。
子どもの病状や看病での疲れにより不安やイライラを抱えている保護者の方も多いです。
そんな状況にいる保護者の方の気持ちを汲み取りながら信頼関係を築けるようコミュニケーションをとることが必要です。
このように小児科では看護の学習面、観察力やコミュニケーションのスキルアップができます。
小児科はスキルアップにはもってこいの科ですね!
子どもと保護者とが看護の対象となることが小児科ならではですよね。
はじめは保護者とのコミュニケーションって難しいなと私も思っていましたが、先輩や医師のやり取りをみていいところを真似をしてみるといいと思います!
小児科人気の理由④小さな変化に感動
小児科では赤ちゃんから幼児、そして小学生へと成長していく過程を間近で見ることができます。これはほんとに感動します。
私自身もこれはすごいなと思った経験があります。乳児期に入院してきたAちゃん、はじめて入院してきたとき3か月の時でした。その後も5か月、7か月の時に再入院となりました。
はじめは寝転んだ状態で音がなるおもちゃを手に握り遊んでいたのが、次に入院してきた時には寝返りができるようになりました。
そして3回目に入院してきた時には上手にお座りができるようになっていました。
教科書に書いてあるような成長を間近でみることができ、「すごい!」と思ったのをよく覚えています。
このAちゃんのように何度か繰り返し入院してくるような場合だけではなく、短期間の入院でももちろんその子の成長をみることができます!
例えば、昨日まではお薬を飲むことを嫌がっていたのに自分で飲むところを見せてくれるようになったり、入院時は泣いてしまっていた処置を数日のうちに自分で上手にできるようになった、などもあります。
このように小児科で働くと子どもたちの小さな変化一つ一つを見ることができ、大きな感動を与えてくれます。
小児科人気の理由⑤子どもたちの笑顔
痛い、しんどい、苦しい、こわいなどの思いで入院してくる子どもたち。そのため入院当初は子どももかなり緊張しています。
また、家族と離れて過ごすことになり寂しさを感じる子どもも多くいます。
小児科で働いていると、子どもたちが痛みや病気により苦しむ姿ももちろんみることになりつらいなと思うことも正直に言うとあります。
ですが、治療が開始され症状が改善してくると子どもたちにも心の余裕がでてくるんです。
そして子どもたちは適応能力がすばらしいので、環境に慣れてくると本来の自分を取り戻します!
そうやってなんとか環境にも慣れ、治療し病気を乗り越えていくんです。元気になった子どもたちの笑顔は、看護師にとっては何よりも大きな喜びです!
小児科人気の理由⑥感謝の言葉
退院のときに「ありがとう!」と子どもやその保護者から言われるととてもうれしいものです。
入院時、保護者の中には子どもが病気になり自分のせいではないかと自分を責めていたり、自宅での看病により疲労が蓄積している方、大きな不安を抱えている方がほとんどです。
そんな状況で病院にくると保護者の中には神経質になっていて何か説明するごとに「それはどういうことですか!!」など強い口調で言われることも時々あります。
しかし、それは医療者を困らせるために言っているわけではなく、病気になった子どもを思うあまりにそのように言ってしまうだけなのです。
不安が高まっている時には保護者の気持ちに寄り添い、傾聴する。そして1つずつ丁寧に説明しながら治療をすすめていく必要があります。
そうすることで保護者との関係性を築くことができ、治療も円滑にすすめていくことができます。
そうして退院できるまでになったときに保護者の方からも「ありがとう」と言われるとあんなにも不安を感じていた保護者の方とも関係性を築くことができたんだという達成感があります。
このように子どもたちの回復を助け、保護者の方々から感謝の言葉をいただけることは、看護師としてのやりがいを大きく高めてくれます!
小児科人気の理由⑦幅広い知識
小児科では、ほかの診療科と異なり子どもが抱えるすべての疾患に対応するため、幅広い知識と技術が要求されます。
また、小児の成長発達や特徴、疾患や治療法の最新の知識を継続的に学び、更新していく必要があります。
最近では子どもたちの状態や治療方法は日々、進化しています。そのため、古い情報のままではいけません。最新の情報にアンテナを張り巡らせることが重要です。
病院によっては病院内で研修が行われていることもありますし、日本看護協会や外部でもたくさん研修は行われています。
それらに参加することで、より高い専門性を身につけることもできます。
小児科の看護師として経験を積み、より専門性を深めていきたいということであれば、小児看護専門看護師や小児プライマリケア認定看護師などの資格もありますよ。
最新の情報を敏感にキャッチし、学習をアップデートすることが大切ですね。専門性を高めると看護師としての成長に繋がりますよ!
小児科人気の理由⑧子どもの成長を見守る喜び
小児科では病気の子どもとの関わりが多いと思われがちですが、乳幼児健診や予防接種など健康な子どもとの関わりも多いです。
かかりつけの小児科となると生まれてすぐの頃から定期的に通うことになり子どもの成長をそばで見守ることができます。
つまり赤ちゃんから幼児、そして小学生へと成長していく過程を間近で見ることができるということです。
寝返りができるようになったり、お座りができるようになったり、言葉が話せるようになったり、
歩けるようになるという姿を小児科では健診を通して見守ることができます!
1人の赤ちゃんがすくすく成長していく姿を見守ることができるのは小児科だけですね!子どもの成長は感動を与えてくれます。
小児科人気の理由⑨子ども好きに適した職場
小児科は子ども好きの看護師にとって理想的な職場であり、子育て経験を活かしたいと考える人にも向いていす。
また、子どもと接する機会が多く、忍耐力やコミュニケーション能力が求められるため、これらのスキルを持つ人にとってはとても魅力的な職場です。
ただし、「子どもが好き!」というだけではなかなか大変な場面もあります。なぜなら処置を嫌がって暴れたりいやいやと駄々をこねる子どもの対応は日常茶飯事だからです。
子どもが好きという気持ちはもちろん大切ですが、忍耐力や気持ちの切り替えがうまくできる人は小児科の看護師に向いていますね。
子育てもそうですよね!子どもはもちろん可愛いけど、こちらの要件をすんなり受け入れてもらえず「いやいや」いったり、泣いたり暴れたりの繰り返し。
ということで子育ての経験は小児科で十分に発揮できるはずです
そして子どもと関わる上では子どもの目線に立って物事を考えたり、説明できることも必要です。
加えて、小児科の看護の対象は子どもだけではなく子どもの保護者も対象となります。そのため幅広い年齢層に対してコミュニケーションをとるためコミュニケーション能力も大切です。
子どもから大人まで関わることになる小児科。子どもとのコミュニケーション、保護者とのコミュニケーションがはじめから完璧にできる人はいません。
コミュニケーションが全くとれないというのでは困りものですが、働く中で身に着けていくというのでももちろん大丈夫です。
自分の周りに子ども・保護者とのコミュニケーションが上手い先輩や医師などがいればどんなふうにやっているか見てみたり、いいなと思うところを真似してみるといいと思います!
小児科人気の理由⑩多様な勤務形態
小児科看護師は病院であれば病棟や外来、NICUなどのさまざまな部署で働くことができます。
病院も小児科のある総合病院や小児専門のこども病院など病院もさまざまです。
私は総合病院の小児科と成人の混合病棟でしたが、病院によっては小児科単独の病棟ももちろんあります。
加えて、総合病院では外来患者と入院患者の両方に対応していることが一般的です。
小児科の看護師が働く先といえばクリニックもありますね。クリニック勤務の場合は基本的に日勤のみで夜勤がないため生活のリズムを崩さずに働ける点も人気の一因です。
ただしクリニックは冬の時期になると風邪やインフルエンザの診療が増えて多忙となる傾向にあるようです。
小児科人気の理由⑪やりがいと癒し
小児科では0歳の赤ちゃんからおおよそ15歳くらいまでの子どもたちを日々接します。熱があったり、しんどいときには不機嫌で泣いていることがほとんどです。
治療により病気から子どもが回復する姿を見守ることができるのはとてもやりがいがあります。
しかし初対面では基本的に大泣きでバイタルサイン測定をするのがやっとです。熱を測ることさえままならないなんてことも多いです。
熱やしんどい時に子どもに泣かれるのは当たり前!熱を測ることさえままならない!
しかし治療が開始され少しずつ回復するにつれてふとした瞬間に笑顔がみられるようになるんです。
たとえば看護師が持っているキャラクターのグッズや看護師そのものに興味を持ってくれたり、一緒に遊ぶことができるようになってきます。
そうして子どもたちの笑顔や元気な姿もみられるようになります。
そんな姿をみていると癒されることが多く、やりがいを感じやすい環境です。
特に、子どもたちが病気から回復する様子を見守ることができるのは、小児科で働く医療者にとっては大きな喜びです。
小児科の看護師が人気の理由11選いかがだったでしょうか。
人気の理由について今回調べてみて、なるほどな!と思いました。小児科が上位に入るなんて私が働いている時にはさっぱり思ってもいなかったです。
私自身は小児科を希望したわけではなく、病院の都合で小児科が私の働く病棟にやってきたためそこから10年間小児科と成人の混合病棟で働くことになりました。
10年間働く中で子どもを好きとは特に思っていなかった私ですが、子どもって可愛いなと思うようになりました。
そして子どもの回復力を目の当たりにし、子どもの力ってすごいなと小児科で働く中でやりがいを感じました。
というわけで私自身も10年間の中で人気の理由『①子どもが好きだから②小児科でのやりがい③スキルアップのため』は私自身もそれぞれ実感として得られました。
きっとどの科で働いたとしてもやりがいはあるでしょう。
しかし、小児科で働く中で体験したこと、特に子どもたちとの関わりは小児科でしか得られない経験だったのはまちがいないです!
①子どもが好き
②小児科でのやりがい
③スキルアップ
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