新人看護師教育のプログラム内容をご紹介!

新人看護師教育は、看護師として初めて働き始める方々を支援するための包括的なプログラムです。

主な内容と特徴を詳しく説明します!

新人看護師教育①新人看護師教育の目的とは

まず初めに、新人看護師教育の目的についてお話します。

新人看護師教育は、新人看護師が基本的な臨床実践能力を身につけ、早期に職場適応できることを目的に行います。

新人看護師の皆さんはそれぞれの大学や専門学校などで基礎教育を受けていますが、実際に入職して臨床現場で求められる臨床実践能力とはどうしても差が生じてしまいます。

病院では厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」に沿って、1年を通して新人看護師研修を行っています。

学生時代に実習先の病院で患者さんに接したことはあっても、看護師として実際に患者さんと直接関わっていくのは不安ですよね。

演習で看護技術を練習した機会があっても、実際の患者さんに行う機会は少なかったと思います。

新人看護師の皆さんは、1人前の看護師として働けるか不安を持っている方も多いかもしれません。

病院としてしっかりと新人看護師教育があるのは心強いですね。

先輩看護師も新人看護師教育は毎年行っていますし、1年間の計画をもとに手厚い支援を行っています。

ぜひ安心して、1人前の看護師を目指して頑張ってくださいね。

新人看護師教育②支援体制

続いては、支援体制についてお話していきます。

学校を出たばかりで、実際に現場で働くとなると不安になりますよね。

学校で習得した知識や技術と、臨床現場で求められるスキルとのギャップに悩む新人看護師も多いと言われています。

実際にどのような支援体制があるのでしょうか?

新人看護師教育は、部署・院内全体で行っています。

また、プリセプターシップ制度を取り入れている病院が多いです。

プリセプターシップとは、新人看護師1人に先輩1人がマンツーマンで教育を行う制度です。

プリセプターは看護技術や学習の方法についての指導を行うだけでなく、心理面のサポートなども行っています。

プリセプターの先輩看護師は、3~5年目で技術の基礎がしっかりと定着した比較的若めの看護師が担当することが多いです。

新人看護師と年齢が近いことで、新人看護師のつらさや悩みに共感しやすいですし、気軽に相談できると思います。

プリセプターとは定期的な面談を行い、1年を通して継続的な支援を行います。

このように新人看護師をサポートする制度がしっかりとあるので、安心してくださいね。

新人看護師教育③研修カリキュラム

続いては、研修カリキュラムについてお話します。

新人看護師は、入職初日から多くの様々な研修を受けます。

実際にどのような研修カリキュラムが組まれているのでしょうか?

それぞれの病院では、厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」に基づいて研修カリキュラムが構成されています。

基礎的な看護技術の習得はもちろんのこと、医療安全、感染管理の基本など、看護師として働くうえで必要不可欠な内容が盛り込まれています。

また、患者さんとの関わりやチーム医療で非常に重要なコミュニケーションスキルの向上に関する研修もあります。

他には電子カルテの操作方法といった看護記録や情報収集といった、学生時代に習うことがない内容も多いです。

病院の全体研修では、配属された診療科以外の各診療科に関する研修もあるので、幅広い知識を習得することができます。

実際の研修は講義などの座学だけでなく、グループワークや模型を使った演習、ロールプレイングなど、様々な方法で研修を行います。

臨床実践能力をつけるために効果的な研修カリキュラムが構成されています。

入職後の研修について、少しイメージが湧いてきたでしょうか?

入職前の不安が大きい方も多いかもしれませんが、研修カリキュラム通りに勉強をすれば1人前の看護師に近づけるので安心してくださいね。

新人看護師教育④段階的な成長支援

続いては、段階的な成長支援についてです。

これまではどのような研修カリキュラムが構成されているか、大まかにお話をしてきました。

ここでは、研修の流れについてお話します。

研修で学ぶ内容は非常に多岐に渡りますが、どのようなスケジュールで研修を受けていくのでしょうか。

入職して間もない時期では、まず職業人としての基本的な姿勢や態度を学ぶとともに、職場に慣れて適応することから始めていきます。

具体的には入職オリエンテーションとして病院組織の理解、接遇マナー、看護倫理について学んでいきます。

看護技術の前に社会人としての基礎から学ぶことができるので、心強いですね。

その後はバイタルサインやフィジカルアセスメント、日常生活援助といった基本的な看護技術の習得、日勤業務の流れについて学びます。

5月くらいからは夜勤業務の見学など、少しずつ幅を広げていきます。

また、徐々に侵襲を伴い高度な看護技術についての研修を受けていきます。

このように、最初から全ての看護技術を詰め込んで習得するのではなく、時期に合わせて計画的に研修プログラムが組まれています。

院内での新人集合研修は入職当初が一番多いですが、徐々に回数は減っていきます。

入職当初は全体研修で基本的な知識や技術を学び、その後に部署において実践形式で習得していくイメージですね。

新人看護師教育⑤具体的な研修内容例

続いては、具体的な研修内容例についてお話しします。

入職時からたくさんの研修があることをお伝えしましたが、具体的にどのような研修内容なのか気になりますよね。

ここでは、看護技術の例をもとに説明していきたいと思います。

例えば、採血についての研修です。

まずは座学での講義形式で、採血の目的や手順、注意点について学びます。

採血についての手順だけでなく、検査項目や患者確認の方法、検体の取り扱い方法、迷走神経反射、針刺し事故の対応など、講義では非常に多くの内容を学びます。

講義のあとに、シュミレーターを使って実際に採血の練習をしていきます。

数名ずつのグループに分かれて、指導者が1人ずつ付いて行うことが多いです。

実際の患者さんではない模型を使った練習でも、本物の物品を使用して練習するのは少し緊張しますよね。

それでも、指導者がついて繰り返し支援してくれるので安心してくださいね。

全体の新人集合研修で練習した後は、部署で練習することが多いです。

その後、先輩の見守りや支援のもと実際の患者さんに採血を行っていきます。

しっかりと技術がひとり立ちするまでは先輩のフォローを受けながら行っていくので、心強いですよ。

シュミレーターではできる技術も、患者さんに行うと中々うまくいかないことも多いです。

そんな時は先輩看護師に相談しながら、技術の習得に向けて練習を重ねていきましょう。

新人看護師教育⑥成長の記録と評価

続いては、成長の記録と評価についてです。

入職してからたくさんの研修を受けて病棟で様々な経験を積んでいくので、新人看護師は1年で急成長をします。

新人看護師教育では、その成長を可視化できるようにきちんと記録していきます。

各病院では研修内容や記録をまとめるファイルを新人看護師一人ひとりに渡して、そこに記録をまとめていきます。

自分が立てた目標やその評価と振り返り、先輩からのコメントなど、自己の成長に関する記録をつけます。

また、新人看護師は1か月、3カ月、半年、1年と定期的に面談をして評価を受けていきます。

その面談をもとに、目標の到達状況を確認したり今後の目標を立てます。

看護技術の経験項目やチェックリストも記録としてまとめていくので、記録を振り返ることで未経験の技術やこれから習得すべき技術がわかります。

一度習得した技術でも久しぶりに実践する場合や勉強し直したいときに見ると、とても参考になりますよ。

このように、自身の成長を可視化できるのは嬉しいですし、自信になりますね。

新人看護師教育⑦メンタルヘルスケア

続いては、メンタルヘルスケアについてです。

メンタルヘルスとは心の健康状態のことで、新人看護師はとくに注意していく必要があります。

学生から社会人となり入職することで、大きな環境の変化が起こります。

その中で新しい人間関係や求められるスキルの高さ、責任の重さなど、数えきれないほどのストレスが存在します。

このような多くの困難のなかで自身の心の健康を守っていくのはとても重要になってきます。

メンタルヘルスは新人看護師研修のプログラムにもあるので、そこでストレス管理についてしっかりと学んでいきましょう。

また、新人看護師の早期離職にはリアリティショックが大きく影響していると言われています。

新人看護師は自分の抱いていた理想と入職後に求められる技術や仕事内容とのギャップを感じることがあります。

新人看護師の方は、多かれ少なかれ感じたことがあるものだと思います。

対策としては、研修や自身の勉強などでスキルアップを目指すだけでなく、先輩に相談したり同期と話すことがとても重要です。

ひとりで抱え込んでいると、ストレスが大きくなってしまうことも多いです。

病院では、新人看護師が同期との交流を図れるような機会を提供しています。

頑張りすぎず、うまく自分のストレスと付き合っていく方法を見つけていきましょう。

新人看護師教育⑧夜勤への移行支援

続いては、夜勤への移行支援についてです。

みなさんの中にも、夜勤の流れや入り方が気になっている方も多いのではないでしょうか。

新人看護師がどのように夜勤業務をスタートしていくのか、お話していきたいと思います。

入職後はまず、日勤業務のみを行います。

基本的な看護技術を習得し、日勤業務に慣れることから始めます。

夜勤は日勤と比べて検査や処置、治療が少ないですが、患者さんの急変や緊急入院がある場合も多いです。

夜勤の方が勤務している看護師の人数も少ないため、その分看護師1人の受け持ち患者人数や責任も増えます。

これらを考えると、ある程度経験を積んでから夜勤業務を始めるのは納得ですね。

夜勤業務を始める時期は病院や配属部署によって異なります。

5月頃から開始するところもあれば、数か月~1年は日勤業務に専念するところもあるようです。

新人看護師の皆さんは夜勤を始めることに不安もあると思いますが、最初のうちは見学やシャドウイング、ダブルと段階を踏んで行っていきます。

他の看護師のフォローもあるので安心してくださいね。

日勤よりも受け持ち患者が多いので情報収集やラウンドに時間がかかることもあると思いますが、徐々に慣れてきてコツがつかめてきます。

夜勤業務を始めることで、患者さんの1日の流れがわかりますし、視野も広がります。

日勤業務で習得したことに自信をもって、ぜひ夜勤業務を頑張ってくださいね。

新人看護師教育⑨継続的な学習支援

続いては、継続的な学習支援についてです。

新人看護師は日々覚えることが多く、研修や勉強会も頻繁にあります。

慣れない環境で日々の業務に追われている中で、学習を継続していくことに不安を感じている方も多いと思います。

病院でどのような学習支援が行われているのかお話していきます。

冒頭の方でもお話しましたが、新人看護師の教育計画をもとに1年を通して研修が組み立てられているので、基本的にはその研修をしっかりと受講することで必要な知識や技術を身に着けることができます。

臨床現場では、全体研修で学んだ内容を部署の先輩看護師が細かくチェックするような余裕は無いのが現状です。

研修を受けたらその内容を部署に持ち帰って実践し復習に繋げることで、着実にスキルアップができますよ。

先輩看護師は多くの経験を積んでいるので、研修でわからなかったことや実践で上手くいかないことがあれば、積極的に質問してみましょう。

他にも、院内・院外問わず任意参加の研修が多く開催されています。

無理のない範囲で、自分の目標に合わせた研修に参加すると更なるスキルアップに繋がります。

ぜひ目標に向かって自己学習を継続してくださいね。

新人看護師教育⑩個別性に応じた支援

最後に、個別性に応じた支援についてお話します。

新人看護師は年間を通した教育計画が組まれていますが、スケジュール通りにいかないこともたくさんあります。

たとえば、受け持ち患者の人数を増やしたくても1人の患者を担当することで精いっぱいだったり、夜勤業務の目標開始時期になっても日勤業務のひとり立ちができないために夜勤に入れなかったり・・。

新人看護師の皆さんの中には、計画に沿って成長できていないと感じて悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん1年の教育計画はありますが、一人ひとりの学習進度や特性に合わせて支援をしているので安心してくださいね。

得意不得意があるのは当たり前で、成長のスピードも人それぞれです。

日勤ひとり立ちや夜勤に入る時期が遅れても、その分先輩看護師がついて指導にあたってしっかりとサポートします。

同期の子と比べて落ち込んだり悩んだりすることもあると思いますが、目の前の自分の目標に向かっていれば大丈夫です。

困ったことがあればプリセプターの先輩に相談しながら、頑張っていきましょう。

 

タイトルとURLをコピーしました